「提案が困難になった」「企画がうまくいかない」「承認獲得できない」などの嘆きの声は増えているが、ではどんな企画や提案のやり方をしているのであろうか。システムの企画方法について、何社かのユーザー企業情報システム部門に聞いてみた。
一方、システム・インテグレータのシステム提案のやり方も、多くは次のような実態となっている。
利用部門や顧客自身もあまり明確に意識していない「本当の期待」と、いまの企画提案の実態には大きなギャップがあり、受け取る側のもどかしさにつながっている。もどかしさを放置した企画提案のままでは、頼りがいのある相手とは思われなくなる。
利用部門や顧客は、企画提案に対して次のような要望を持っている。
利用部門や顧客の命題とその解き方を構造的にいい当て、その中の何を提供・支援するのかを明確にすることで、利用部門や顧客から見た企画提案の魅力は大幅に増す。そのような企画提案を一定レベルの品質を保持して提供し続けるには、“技術”が必要なのである。
本連載は、難易度・複雑さが増しているシステム提案の現場で役立つ、組織的な企画提案力の強化方法について考察していくものである。次回からは、プロの企画提案方法論である「コンサルティング・プロモーション」の説明を行っていく。次回はその概要について解説する。
大上 建(だいじょう たける)
株式会社プライド 常務執行役員 チーフ・システム・コンサルタント
前職で上流工程を担当する中、顧客の利用部門は必ずしも「開発すること」を望んでおらず、それを前提としないスタンスの方が良いコミュニケーションを得られることに気付き、「情報の経営への最適化」を模索することのできる場を求めてプライドに入社。株式会社プライドは、1975年に米国より社名と同名のシステム開発方法論の日本企業への導入を開始して以来、これまで140社余りの企業への導入支援を通じて、情報システム部門の独立自尊の努力を間近に見てきた。
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