コンサルティング・プロモーション導入のための方法論プロフェッショナル企画提案方法論−C/P(5)(2/2 ページ)

» 2006年09月30日 12時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]
前のページへ 1|2       

人材ビジョン

 企画提案責任者(PM)は、コンサルティング・プロモーション方法論の基本を習得したうえで、次の技術を備えている必要がある。

  • 企画提案仮説の構築と、社内外の知恵を結集して企画提案仮説を拡充できる
  • PR会議のファシリテーションを行うことができる
  • 調査に当たり、調査スペックを作成し、外部調査を実施できる。
  • D/Pにおいて、顧客の知見を借りて企画提案仮説の拡充を行い、両者にとっての最善の落とし所に向けて合意形成することができる

 C/P導入部門の部門長やPMの上位者は、PR会議においてレビューアとして、次を実施できる技術を備えている必要がある

  • 企画提案仮説をレビューし、厳格にゲートキープする
  • PR会議では、企画提案仮説の「答え」だけを議論させる。決して仮説拡充の「方法」に議論を向けさせない

 C/P推進チームは、PMの育成と、C/P導入部門の部門長、上位者のレビュー技術をOJTできる技術を備えている必要がある。

リーダーシップ

 経営陣によるリーダーシップも大切だ。経営者は、C/P導入部門に対してコンサルティング・プロモーション定着の意義と必要性を、しっかりと自身の言葉で宣言する。また、C/P推進チームに対して高い顧客満足を達成水準と定め、推進を支援する

課題と解決策

 「コンサルティング・プロモーション導入」という目標にとっては、ビジョンと現状との差が課題である。ここでは現状が存在しないので、ビジョンの中のポイントを課題ととらえた場合を考えてみる。そのとき、次のものが課題、そしてその解決策として想定できる。

C/P推進チームの編成

 新たな組織編成・資源配分の意思決定を行うために、試行期間を3〜4カ月程度取り、コンサルティング・プロモーション導入の評価、およびコンサルティング・プロモーション推進を実施できるファシリテーター育成を行う。

C/P導入組織におけるゲートの厳格運用

 同じく試行の中で、実案件で厳格にゲートキープすることが、企画提案の質を高めることを検証し、制度化の確信を得る。

企画提案における作業のフロントローディング

 同じく試行の中に限定してフロントローディングを行うことで、資源配分変更の確信を得る。

企画提案責任者(PM)の育成、C/P推進チームの育成

 試行に関係する者全員がコンサルティング・プロモーション導入の教育を受ける。次に実案件を用いたPR会議の試行を数週間に渡って行う。さらにPR会議に連続して、知識・知見の相互触発を行う会議(ナレッジ拡充会議)を行い、知識・知見の相互触発のやり方と蓄積を体感する。

 C/P推進を担うメンバーについては、PR会議やナレッジ拡充会議とは別にファシリテーターに求められる行動規範を身に付け、ファシリテーションの実践の中で、何に気付き、何を改善すべきかを徹底的に検討する育成の場を設けることで育成を行う。

コンサルティング・プロモーション導入の遂行方法

 上記の課題解決策を考慮したコンサルティング・プロモーション導入の試行は、次のようなステップで行う。

図2 C/P導入の試行ステップ 図2 C/P導入の試行ステップ

 次回は、コンサルティング・プロモーションを推進するうえで最も大きな課題である人材育成について解説していく。

Profile

大上 建(だいじょう たける)

株式会社プライド 常務執行役員 チーフ・システム・コンサルタント

前職で上流工程を担当する中、顧客の利用部門は必ずしも「開発すること」を望んでおらず、それを前提としないスタンスの方が良いコミュニケーションを得られることに気付き、「情報の経営への最適化」を模索することのできる場を求めてプライドに入社。株式会社プライドは、1975年に米国より社名と同名のシステム開発方法論の日本企業への導入を開始して以来、これまで140社余りの企業への導入支援を通じて、情報システム部門の独立自尊の努力を間近に見てきた。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ