[アダプテック] SASの時代はすぐそこに来ているストレージレージ関連ベンダ それぞれの戦略(8)(2/2 ページ)

» 2006年11月18日 12時00分 公開
[三木 泉,@IT]
前のページへ 1|2       

iSCSIは大きな事業になる可能性がある

──ソフトウェアは、具体的にはどのように推進していきますか。

 ストレージ市場では、中小・中堅企業向けが急速に伸びています。また、安全なストレージやデジタル・アーカイブのニーズが高まっています。こうしたアプリケーションはすべてソフトウェアを必要とします。アダプテックとしては、まずプラットフォーム部分のソフトウェアから始め、データサービスへ展開し、最終的にはポリシーのレイヤにも取り組んでいきたいと思います。

 現在のところ当社はI/OとRAIDを中心にソフトウェアを提供しています。しかし、将来はストレージ・アプリケーションも提供していきます。こうしたアプリケーションは当社のコントローラやアプライアンスの一部として提供していきます。

──2006年末までに発売される15の製品とはどのようなものですか。

 コントローラにおいて、ポート構成や接続コネクタ、搭載メモリのバリエーションを増やすということです。申し上げたのは世界全体での製品数ですが、各国の事情により取捨選択して提供することになると思います。

──アダプテックにおけるiSCSI製品の売り上げはどのような状況ですか。

 現在のところ大きなものではありませんが、当社ではこれを大きな事業機会だと考えています。Snap ServerではiSCSI接続とNASとしての利用をサポートしていますし、iSCSIの成長をチャンスと考え、当社の事業の大きな部分を占めるような事業にしていきたいと思います。

 米国においても、iSCSIは導入がやっと始まった段階です。また、これまでの販売実績はほとんど米国であり、欧州で少々売れ出したところです。しかし、2、3年後には大きな市場になると思います。したがって将来への投資を、今しなければならないと思います。

──中小・中堅企業にソフトウェア・ソリューションを提供していくのは難しいのではないでしょうか。

 中小や中堅の企業に対してソフトウェアを単体で提供することは考えていません。すでにRAIDコントローラにさまざまな機能を組み込んでいますが、これはほとんどソフトウェアです。しかし当社はこれをコントローラ・ボードとして販売し、大きな売り上げを獲得しています。今後についても、同様なビジネス展開手法を取りたいと考えています。

──日本における最大の課題は何ですか。

 ユニファイド・シリアル戦略を進めることが直近の課題です。世界的にはサーバベンダやブランドOEMベンダによる採用は進んでいるものの、ホワイトボックスベンダの採用はやっと始まった段階です。日本国内では、SASを本格展開し始めたのが2005年であるため、2007年度になってから採用が本格化すると考えています。

著者紹介

▼著者名 三木 泉


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ