いま、VMwareについて聞きたい6つの質問仮想マシン環境最新事情(2)(2/2 ページ)

» 2007年03月28日 12時00分 公開
[三木 泉,@IT]
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質問4 Itaniumプロセッサ、そして64ビットのOSやアプリケーションに関してはどういうスタンスなのでしょうか。

 Itaniumプロセッサに関しては、まだ当社が参加できるような規模の市場になっていないと感じています。将来まったく対応しないとはいいませんが。以前、プロトタイプを実際に動かしたことはあります。しかし、当社がコミットしても市場が広がらないのでは厳しいため、このプロジェクトをいったん棚上げし、静観することにしました。64ビットについては非常に関心を持っていますし、64ビットOS/アプリケーションに本格的に対応している唯一のベンダだと自負しています。

質問5 VMwareは他社のミッションクリティカル向けサーバ仮想化ソフトウェアと比較して何が優れていると思いますか。

 VMwareのパフォーマンスと信頼性は高く、ユーザーは「使える製品だ」といってくれます。さらに他社の製品にない革新というか、新技術があります。例えばVMware Infrastructure 3(VI3)の「VMware Distributed Resource Scheduler」(DRS)という機能ではクラスタを構築し、自動的に負荷分散することができます。ポリシーを設定すれば、これに基づいて適切なサーバを自動的に探し出し、負荷分散機能を適用してくれます。

 こうした機能でIT関連の作業を大幅に自動化してきたことがVMwareの強みです。IT管理者は「VMwareが自分の仕事を面白くしてくれた」といってくれます。彼らはこれまで基本的に火消しのような仕事を日夜繰り返してきましたが、このような革新機能によって多くの作業を自動化したことで、彼らはユーザーのためにソリューションを作り出す仕事に時間を割けるようになったのです。

 ある企業ではラックに詰め込んだサーバにVI3を適用しています。新たなサーバが必要になると、数分でこのサーバ群のなかにサーバを作り出すことができます。そしてこうしたサーバは自動的に負荷分散できるように設定されており、管理者は気にかける必要がありません。作業はすべてソフトウェア上で行えるため、非常に容易です。こうした革新が世界中の人々に歓迎されています。

 日本は世界のほかの国々に比べると少しだけ動きがにぶいようですが、理由はおそらくこの技術を信頼するに至っていないからでしょう。しかし私は心配していません。時間が経過すれば、このようなことができるのは当社しかいないということを分かっていただけると思っています。

質問6 サーバ仮想化の管理をポリシーベースに移行するのは1つの流れだと思いますが、この点でVI3は今後どのように進化していくのでしょうか。

 DRS機能では、すでに負荷分散についてポリシーを設定できるようになっています。「CPU使用率が何%以上になったらもう1つのサーバを追加しろ」と指示できるようになっています。今後は、まず「アプリケーションXはこれくらいのCPUパワー、ストレージ、ネットワーク帯域が必要だが、このアプリケーションを動かしたいので適切なコンピュータリソースを割り当ててくれ」と指示できるようになります。

 また、自動的にリソースを割り当てるだけでなく、リソース利用を追跡してくれるようになります。これによりホスティング業者などが利用リソースに応じた課金を行えるようになります。また、仮想サーバの管理の観点からは、日時指定で特定の仮想マシンを稼働するとか、期限を付けてサーバの稼働を自動的に停止するといったことが可能になります。サーバ製品以外ではこれらの機能の一部をすでに組み込んでいます。デスクトップ管理製品の「VMware ACE 2」は期限を付けるポリシー機能を搭載しています。当社は通常、新機能をまずVMware WorkstationやVMware ACEに適用し、その後にサーバ製品に組み込んでいきます。従って将来、この機能がサーバ製品に組み込まれる可能性は大きいといえます。

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