
見込み客リストは、営業やマーケティングで「誰に、いつ、何を伝えるか」をそろえるための土台です。まずはExcelなど身近な方法で管理を始め、項目設計から収集、分類、更新までの流れを整えると、追客のムダを減らしやすくなります。
本記事では、Excelですぐに使える管理項目の考え方(BANT)や、見込み客を4つに分類して優先順位を付ける方法など、現場で使いやすい手順に沿って解説します。
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目次
見込み客リストとは
見込み客リストとは、商談の候補となる潜在顧客の情報を集めて体系的に整理したリストのことを指します。このリストには、顧客の基本情報(名前や連絡先)に加えて、興味の対象、検討している段階、過去のやり取りの履歴などが含まれます。
例えば、Webサイトで資料請求をしたユーザー、展示会で名刺交換をしたビジネスパーソン、あるいはSNSで興味を示したフォロワーなど、さまざまな場面で接触した見込み客の情報を集めたものです。これらの情報を元に、より効率的な営業活動を行うことができます。
見込み客リストのメリット
見込み客リストは、営業活動やマーケティング活動において欠かせない基盤です。このリストを活用することで、以下のようなメリットが得られます。
- ターゲットが明確になる
- 他部門と連携してコミュニケーションが取れる
- マーケティングの効率化が図れる
ターゲットが明確になる
顧客の情報を詳細に把握することで、どの顧客にどのようなアプローチをすべきかが明確になります。見込み客リストを活用すると、最適なタイミングで、最適な方法で顧客にアプローチできるため、営業の効率が向上します。
他部門と連携してコミュニケーションが取れる
営業チームやマーケティングチームが共有できる見込み客リストを使うことで、顧客とのやり取りにおける一貫性を保つことができます。異なる部門で連携してアプローチする際にも、顧客に対して一貫したメッセージやサービスを提供できるため、信頼関係を築きやすくなるでしょう。
マーケティングの効率化が図れる
見込み客リストは、効果的なマーケティング施策やキャンペーン運営にも役立ちます。MA(マーケティングオートメーション)ツールなどと連携することで、見込み客に対してタイムリーに情報を届けたり、個別のニーズに合わせたアプローチが可能になります。例えば、特定の商品に関心を示している顧客には、その商品に関連する情報やオファーを自動で送ることができます。
見込み客リストの作成方法
見込み客リストの作成は、営業やマーケティング活動を効果的に進めるために重要なステップです。見込み客リストをしっかりと作成することで、顧客のニーズや関心に基づいたアプローチが可能になり、成約率を高めることができます。ここでは、見込み客の情報をどのように集め、分類し、それぞれに対してどのようにアプローチすべきかを説明していきます。
- 見込み客の情報を収集する
- 見込み客を分類する
- 分類に沿ってアプローチ方法を計画する
- 「まだまだ客」へのアプローチも同時進行する
ステップ0:リスト項目の設計(Excelで作る場合)
見込み客リストを作成する際は、最初に「何を管理するか」を決めることが大切です。Excelで作るなら、まず列(項目)を決めておくと入力と運用がスムーズになります。迷ったら、基本情報に加えて、確度を見極めるための項目と、次のアクションにつながる項目をセットで用意します。
基本項目(必須)
[ ] 会社名
[ ] 部署名
[ ] 担当者名
[ ] 連絡先(Email/TEL)
[ ] 住所(またはエリア)
BANT条件(確度を見極める項目)
[ ] Budget(予算):予算感はあるか
[ ] Authority(決裁権):担当者に決裁権があるか
[ ] Needs(必要性):自社の課題を認識しているか
[ ] Timing(導入時期):いつ頃の導入を考えているか
管理項目(アクション用)
[ ] 最終接触日
[ ] 次回アクション予定日
[ ] 現状ステータス(未接触、商談中、失注など)
[ ] 確度ランク(A:今すぐ、B:そのうち、C:情報収集中)
Excelでリストを運用するコツ
Excelは手軽に始められますが、データが増えるほど表記ゆれや更新漏れが起きやすくなります。例えば「確度」や「ステータス」は自由入力にせず、プルダウンで選べる形にしておくと、後から検索や集計がしやすくなります。最初から項目を増やしすぎず、運用しながら必要なものだけ残す進め方が現実的です。
また、チームでの同時編集や履歴管理が必要になってきたら、後述のCRMへの移行も視野に入れると安心です。
見込み客の情報を収集する
見込み客リストを作成するためには、まず見込み客の情報を収集する必要があります。情報の収集にはさまざまな手段がありますが、以下の方法が一般的です。
Webサイト
自社のWebサイトで、問い合わせフォームや資料のダウンロードページを設置することで、ユーザーの名前やメールアドレスなどの情報を取得できます。特に、ホワイトペーパーやeBookのダウンロードを通じて、興味を持っている見込み客の情報を集める方法が有効です。資料を提供する代わりに、連絡先を得ることで、その後のフォローアップがしやすくなります。
展示会・イベント
展示会やセミナーなどのイベントでは、名刺交換やアンケート調査を通じて、直接見込み客の情報を得ることができます。このようなイベントでは、すでに興味を持っている参加者が多いため、質の高いリード(見込み客)を獲得できるチャンスがあります。ここで得た名刺は、後でデジタル化してリストに加えると、入力の手間を減らしやすくなります。
関連名刺管理に活用できるシステムについては「【2025年版】名刺管理システムおすすめ13選|比較ポイントと成功する選び方」をご確認ください
SNS
SNS上でフォロワーのコメントやメッセージを通じて、興味を示しているユーザーを見つけることができます。例えば、投稿に反応したり、質問をしてきたりするユーザーは、あなたの商品やサービスに関心を持っている可能性もあるでしょう。こうしたユーザーの情報を収集し、リストに追加することで、アプローチの機会を増やすことができます。
広告キャンペーン
オンライン広告やキャンペーンページ(ランディングページ)を使用して、見込み客の連絡先情報を収集することも一般的です。例えば、期間限定の割引や特典を提供するキャンペーンページを作成し、そこで登録してもらうことで、潜在的な顧客の情報を集められます。
既存顧客紹介
既存の顧客からの紹介を通じて、新しい見込み客を得ることも効果的です。信頼関係のある顧客からの紹介であれば、新規の見込み客も信頼を抱きやすく、成約に繋がりやすいと言えます。
見込み客を分類する
見込み客を効果的にアプローチするためには、まずその見込み客を分類することが大切です。この分類は、顧客がどれくらい商品やサービスを必要と感じているか(ニーズ)や、どれくらい強く欲しいと思っているか(ウォンツ)に基づきます。
ニーズとは、顧客が解決したい問題や達成したい目標に対して、自社の商品やサービスが必要だと感じている度合いを指します。例えば、業務の効率化を図りたいという課題を解決するために、何が必要か考えている状態がニーズです。
ウォンツとは、ニーズを満たすために「この商品やサービスが欲しい」と具体的に感じている欲求のことです。例えば、複数の選択肢の中から特定の商品を強く欲しいと思っている状態がウォンツです。
これらを整理すると、見込み客は「ニーズの高低」と「ウォンツの高低」で次の4つに分けて考えられます。ニーズ(Needs)とは「必要性、目的」のこと、ウォンツ(Wants)とは「具体的な手段、商品やサービスに求めること」です。
|
ウォンツ(高) 「これが欲しい!」 |
ウォンツ(低) 「まだ迷っている…」 |
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|
ニーズ(高) 「必要だ!」 |
1 今すぐ客
(即アプローチで商談へ) |
2 お悩み客
(解決策を示して不安を減らす) |
|
ニーズ(低) 「今は不要かな…」 |
3 そのうち客
(定期フォローで機会を待つ) |
4 まだまだ客
(情報提供で育成する) |
1. 今すぐ客
ニーズとウォンツがともに高く、今すぐ購入や導入を検討している顧客です。この層の顧客は、すぐに対応することが求められ、具体的な提案や商談を早急に進めることが必要です。タイミングを逃さず、迅速なアプローチが効果的です。
2. お悩み客
この顧客はニーズは高いものの、ウォンツが低い状態です。つまり、問題を解決したいとは思っているが、どのサービスを選べばよいか迷っている、もしくは何かの理由で今すぐ行動に移れない段階です。この層には、製品の具体的なメリットや導入の成功事例などを示し、購買意欲を高めるための情報提供が有効です。
3. そのうち客
ウォンツはあるものの、ニーズが低いため、すぐには購入を検討していない顧客です。この層の顧客は、商品やサービスに対して興味を持っていますが、現時点では緊急性を感じていません。この場合、まず顧客が抱える課題に気づかせ、問題解決の重要性を認識させるための情報提供が求められます。
4. まだまだ客
ニーズもウォンツも低く、商品やサービスへの興味があまりない顧客です。すぐに購入を期待することは難しいですが、長期的なフォローが必要です。メールマガジンやSNSで定期的に接点を持ち、商品に対する関心を少しずつ高めるアプローチが有効です。
分類に沿ってアプローチ方法を計画する
見込み客をそれぞれのカテゴリに分類した後は、それに応じたアプローチを計画します。
「今すぐ」客へのアプローチ
今すぐ客には、すぐに商談や商品デモを設定し、成約に向けて具体的な提案を行いましょう。相手が購入を検討しているタイミングを逃さないことが大切です。迅速な対応が成約に繋がる可能性を高めます。
「お悩み客」へのアプローチ
お悩み客には、競合他社との比較や導入のメリットを説明し、不安を解消するための情報を提供します。また、購入しない場合のリスクや、今すぐ行動することで得られるメリットを伝えることで、購買意欲を高めます。
「そのうち客」へのアプローチ
そのうち客には、無理に購入を迫らず、定期的に役立つ情報を提供することで、関心を維持し、ニーズを引き出していきます。顧客が購入を考えるタイミングが来たときに、すぐにアプローチできるように準備を整えておくことがポイントです。
「まだまだ客」へのアプローチ
まだまだ客には、まず自社の製品やサービスを認知してもらうことが目標です。SNSやメールマガジンなどで定期的に情報を提供し、長期的に関係を築いていくことが大切です。徐々に関心を高め、購買意欲が生まれるタイミングを待ちましょう。
おすすめ記事リードジェネレーションとは? 戦略と効果的な見込み顧客の獲得方法をご紹介
分類は「優先順位を付けるための道具」です。全員に同じ営業をかけるのではなく、確度の高い相手には電話や訪問など濃い接点を、時間がかかる相手にはメール配信やコンテンツ提供など軽い接点を選ぶと、リソースを配分しやすくなります。
見込み客リストの管理方法
見込み客リストの管理は、営業活動やマーケティング活動を円滑に進め、効果を最大限に引き出すために重要です。リストの情報が正確でないと、効果的なアプローチができなくなり、機会損失に繋がります。ここでは、見込み客リストを管理するための具体的な方法を詳しく説明していきます。
- 管理ツールの選定を行う
- データの保護とプライバシー管理を考察する
- リストの更新とメンテナンス方法を策定する
管理ツールの選定
見込み客リストを適切に管理するためには、どのツールを使うかが重要です。一般的に、以下の2つの方法が用いられます。
Excelなどの表計算ソフトを使う
Excelは使い慣れたツールとして多くの企業で利用されています。シンプルに顧客情報を管理するためには十分で、特別な導入コストもかかりません。列を使って名前や連絡先、購入状況などの情報を整理することで、必要な時にすぐに情報を確認できます。さらに、Excelのフィルター機能や並べ替え機能を使うことで、特定の条件に合致する見込み客を簡単に検索することができます。
ExcelからCRMへの移行
Excelは始めやすい一方で、データが増えたり複数人で運用したりすると、更新漏れや「最新版がどれか分からない」といった課題が出やすくなります。「同時編集したい」「外出先からスマホで確認したい」「メール送信履歴もひも付けたい」などの要望が増えたら、CRMへの移行を検討しやすいタイミングです。
CRM(顧客管理システム)を用いる
より高度な管理を行いたい場合は、CRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理システム)の使用が推奨されます。CRMとは、顧客情報の管理や営業活動の進捗状況を追跡するためのツールで、情報を一元化して効率的に管理できるのが特徴です。例えば、過去のやり取りや購買履歴、次に連絡するべきタイミングなどを簡単に確認でき、営業チーム全体で情報を共有することが可能です。CRMを使えば、より戦略的な営業活動やマーケティング施策を実行するための分析も行いやすくなります。
データの保護とプライバシー管理
見込み客リストには、名前や連絡先といった個人情報が含まれます。このため、データの保護やプライバシーの管理は非常に重要なポイントです。顧客の信頼を守るためにも、法的な規制に従ったデータの取り扱いが求められます。以下のような方法で、安全なデータ管理を実現しましょう。
データの暗号化
顧客の情報は、保存時や送信時に暗号化を行うことで、第三者にアクセスされるリスクを減らすことができます。暗号化とは、データを特殊な形式に変換し、許可された者しか復号できないようにする方法です。
アクセス制限
見込み客リストへのアクセスを制限することも重要です。例えば、必要最低限のメンバーだけがリストにアクセスできるようにし、他の社員には権限を与えないように設定することができます。こうしたアクセス制限を設けることで、情報が不適切に扱われるリスクを減らすことができます。
法令の順守
各国のデータ保護法(日本では個人情報保護法、海外ではGDPRなど)に対応したシステムを導入し、顧客データが適切に管理されているかを確認する必要があります。法令を順守することで、顧客の信頼を確保し、企業としての信用を守ることができます。
見込み客リストをExcelで扱う場合、ファイルをメール添付でやり取りする運用は情報漏えいのリスクが高くなります。パスワード設定や安全なクラウド保管、権限管理ができる仕組みを前提に、扱い方を決めておくと安心です。
リストの更新とメンテナンス
見込み客リストは、作成した時点では正確であっても、時間が経つにつれて情報が古くなることがあります。
以下では、リストの効果を有効に保つための具体的な取り組みについて紹介します。
定期的なリストの見直し
定期的にリストを確認し、最新の情報に更新することが大切です。例えば、引っ越しや転職などで連絡先が変わった顧客がいるかもしれません。また、すでに成約した顧客や購入の意思がないことが明確になった顧客は、リストから外すか、別のリストに移す必要があります。
古いデータの整理と削除
長期間更新されていない情報や、連絡がつかない見込み客の情報は、リストの中で無駄なデータになります。これらの情報を定期的に削除することで、リストの精度を保ち、営業活動の無駄を減らすことができます。また、必要のないデータを削除することで、セキュリティリスクを軽減することも可能です。
定期的なコミュニケーション
見込み客との定期的なコミュニケーションもリストのメンテナンスの一部です。連絡を長期間取っていない見込み客に対して、フォローアップのメールや電話を通じて近況を確認することで、リストに含まれる情報を更新できます。こうすることで、リストの鮮度を保ち、成約のチャンスを逃さないようにできます。
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