
「メルマガを一斉配信しているが、思うような成果が出ない」「新規顧客は獲得できても、リピートにつながらない」といった販促活動の課題をお持ちではありませんか。顧客のニーズが多様化する現代において、画一的なアプローチでは顧客の心を掴むことは困難です。そこで重要になるのが、CRM(顧客関係管理)を活用したデータに基づく販促戦略です。
本記事では、なぜ今CRMが販促に必要なのかという背景から、CRMで実現できる具体的なアプローチ、そして自社に最適なツールの選び方までを網羅的に解説します。販促に強いおすすめのCRMツール5選と成功事例も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この1ページでまず理解!CRMの主な機能、メリット/デメリット、選定ポイント|人気・定番・おすすめの製品をチェック
目次
なぜ今、販促活動にCRMが必要なのか
多くの企業が販促の強化に取り組んでいますが、思うような成果を出せずにいるケースも少なくありません。その背景には現代のビジネス環境特有の課題があります。CRMはこれらの課題を解決し、販促効果を最大化するための力強い武器となるべく存在します。
属人化する顧客情報と「勘頼り」の販促施策
多くの現場では、いまだに顧客情報が個々の営業担当者のPCやExcelファイル、あるいは名刺ホルダーなどに散在してしまっている状況にあります。
この旧来型の体制は、担当者の「勘」や「経験」に頼った販促施策に陥りがちで、組織としての戦略的な活動がしにくいことが大きな課題に挙がります。また、担当者が変わると同時に「顧客との関係性や過去の履歴のような重要な情報・データ」が消え失せるリスクもあります。継続的なアプローチも困難になるのです。
CRMの活用により、顧客に関するあらゆる情報を一元管理し「誰でも同じレベルで顧客を理解できる体制」に変革することができます。
顧客ニーズの多様化とコミュニケーションチャネルの複雑化
インターネットやスマートフォンの普及により、顧客は商品やサービスを認知し、購入に至るまでのプロセスで多様な情報源に触れるようになりました。Webサイト、SNS、アプリ、実店舗など、企業と顧客の接点(チャネル)は複雑化しています。顧客一人ひとりが異なるニーズや価値観を持つため、すべての人に同じメッセージを送る「マスマーケティング」だけでは響きにくくなっています。
CRMを使うことで、顧客の属性や行動履歴に基づいてセグメントを分け、各々に最適化されたコミュニケーションを展開できるようになります。
新規顧客獲得コストの高騰とリピーター育成の重要性
市場の成熟化や競争の激化に伴い、新規顧客を獲得するためのコストは年々上昇傾向にあります。一般的に、新規顧客の獲得コストは既存顧客を維持するコストの5倍かかると言われています(1:5の法則)。
そのため、少ない投資で安定した売上を確保するには、一度購入してくれた顧客との関係性を深化させ、リピーターやファンになってもらう「リテンションマーケティング」が極めて重要です。
CRMは、既存顧客の満足度を高め、LTV(顧客生涯価値)を最大化する販促活動の基盤となります。
関連記事「1:5の法則」とは?
CRMで実現する効果的な販促アプローチ
CRMを導入することで、これまでの販促活動をデータに基づいた戦略的なものへと変革できます。ここでは、CRMを活用することで可能になる6つの具体的な販促アプローチを解説します。これらのアプローチは顧客との関係性を強化し、売上向上に直結します。
顧客データを一元管理し、顧客を深く理解する
CRMの最も基本的な機能は「顧客データの一元管理」です。氏名・社名・部署や連絡先といった基本情報だけに留まらず、購買履歴、問い合わせ履歴、Webサイトの閲覧履歴、アンケートの回答内容など、社内に散らばるあらゆる顧客に関係するあらゆる情報を1つに統合して管理します。
これにより、顧客一人ひとりの興味関心や購買傾向を多角的に把握し、「どのような顧客が、何を求めているのか」を深く理解するための土台ができます。
顧客セグメントに合わせた最適なアプローチを自動化する
CRMは、蓄積した顧客データを分析し、特定の条件で顧客をグループ分けする「セグメント」を設定・作成できます。
例えば「過去半年以内に購入した20代女性」「特定の商品を3回以上リピートしている優良顧客」といったより具体的な要素で分類できます。MA(マーケティングオートメーション)機能を持つCRMならば、このセグメントに対して「新商品の案内メールを送る」や「限定クーポンを配信する」といった施策を「自動」で実行可能です。手作業では難しかったきめ細やかなアプローチを実現します。
用語を確認「リピート率」とは、改めて何のことか
購買履歴や行動履歴に基づいたレコメンドを提示する
ECサイトで「この商品を買った人はこんな商品も見ています」という表示を見たことがあるでしょう。これもCRMのデータ活用の一例です。CRMは、顧客の過去の購買データや閲覧履歴を分析し、その人の好みに合いそうな商品やサービスをメールやアプリで提案(レコメンド)する施策のための基盤でもあります。
このように、顧客の属性、行動、文脈などのデータに基づき、一人ひとりに最適な内容を最適なタイミングとチャネルで届けるようにユーザー体験やコミュニケーションを個別最適化することを「パーソナライゼーション」と呼びます。これにより、顧客は自分に合った情報を効率的に得られるため満足度が向上し、企業側はアップセルやクロスセルの機会を創出できます。
メールやLINE、アプリなど多様なチャネルで接点を構築する
現代の販促は、電話やメールだけでなくLINE、SNS、スマートフォンアプリなど、顧客が日常的に利用するチャネルを複合的に活用することが重要です。多くのCRMツールは、これらの外部サービスとの連携機能を備えています。
例えば、CRMの顧客データとLINE公式アカウントを連携させれば、顧客の属性に合わせたメッセージをLINEで配信できます。チャネルを横断した一貫性のあるコミュニケーションにより、顧客エンゲージメントを高めることが可能になります。
アンケートや問い合わせ内容を分析し、サービス改善に生かす
CRMには、顧客からのアンケート回答やコールセンターへの問い合わせ履歴なども蓄積されます。これらは顧客の「生の声」が集まる貴重な情報源です。
これらのデータを分析することで、自社の製品やサービスの課題、顧客が不満に感じている点などを可視化できます。販促施策の改善だけでなく、商品開発やサービス品質の向上に繋げることで、より根本的な顧客満足度の向上を目指せます。
施策の効果を可視化し、データドリブンなPDCAを実現する
CRMを使えば、実施した販促施策の効果を客観的なデータで測定できます。
例えば、メールの開封率やクリック率、配信後の売上への貢献度などをダッシュボードで簡単に確認できます。これにより、「どの施策が、どの顧客セグメントに響いたのか」を正確に把握し、次のアクションも検討できるようになります。
勘や経験のような不確定な要素だけに頼るのではなく、データという事実に基づいて改善を繰り返す(PDCAサイクルを回す)ことで、販促活動全体の成果を継続的に高めていけることが大きなポイントです。
併せてチェック!CRMのデータ活用術|売上を伸ばす顧客分析の基本と手法を解説
販促に強いCRMツールの選び方と比較ポイント
自社の販促活動を成功に導くためには、目的に合ったCRMツールを選ぶことが不可欠です。ここでは、数ある製品の中から自社にとって最適な1製品を見つけるための5つの比較ポイントを解説します。これらのポイントを参考に、自社の課題や状況と照らし合わせながら検討を進めましょう。
自社の目的は何か(リピート促進、LTV向上、新規開拓)
まず、「CRMを導入して何を達成したいのか」という目的を明確にすることが最も重要です。
例えば、既存顧客のリピート購入を促進したいのか、顧客単価を上げてLTVを向上させたいのか、あるいは見込み客を育成して新規開拓に繋げたいのか。目的によって、必要となる機能の優先順位は大きく変わります。目的が明確であれば、ツールの比較検討の軸がぶれません。
必要な機能は揃っているか(MA機能、外部連携)
目的を達成するために必要な機能が搭載されているかを確認します。
特に販促目的でCRMを導入する場合、メール配信やシナリオ設定といったMA(マーケティングオートメーション)機能の有無も重要となるでしょう。また、自社で利用しているECカートシステム、POSレジ、LINE公式アカウントなど、外部ツールとスムーズに連携できるかも必ずチェックしましょう。データの分断を防ぎ、シームレスな情報活用を実現するための重要なポイントです。
誰が使うのか(現場担当者のITリテラシー)
CRMツールを実際に操作するのはマーケティングや営業といった事業部門の現場担当者となるでしょう。多機能ながらも複雑すぎるツールを導入しても、現場で使いこなせなければ意味がありません。
自社/担当者のITリテラシーを考慮し、直感的に操作できるか、インタフェースは分かりやすいかかなどを確認しましょう。クラウド型製品の多くには、契約前に一定期間無料で試用できる「無料トライアル」「デモ版」が用意されています。「実際に自社環境の中で触ってみて」機能、操作感を確かめましょう。
サポート体制は充実しているか(導入・運用支援)
CRMの導入はゴールではなく、スタートです。導入初期のデータ移行や設定、さらには導入後の運用フェーズで効果的な施策を立案する際など、ベンダーのサポートが必要になる場面は多々あります。電話やメールでの問い合わせ対応はもちろん、専任の担当者によるコンサルティングや、活用セミナーの開催など、サポート体制が手厚いベンダーを選ぶと安心して運用を軌道に乗せることができます。
コストは予算に見合っているか(初期費用と月額費用)
クラウド型CRMの料金体系は初期費用+月額費用で構成されるのが一般的です。月額費用は「○○円/月」を基本に、利用ユーザー数や管理する顧客データ件数に応じて変動する規模別プランを用意する製品が主流です。自社の事業規模や将来的な拡張性を考慮し、予算内で無理なく運用できる製品を選ぶとよいでしょう。
単に「有名だから」や「価格の安さ」だけで選ぶのではなく、機能やサポート内容とのバランスを見極め、コストパフォーマンスの高いツールを選定することが成功の鍵です。
【比較】販促強化に直結するおすすめCRMツール5選
ここでは、数ある製品の中から「販促に直結する機能(MA、メール配信、アプリ連携など)を持つか」「顧客データ分析機能が充実しているか」「幅広い業種・規模に対応できるか」の観点を軸に、販促活動の強化におすすめのCRMツールを厳選してご紹介します。それぞれに特徴や強みが異なるため、自社の目的や課題に最も合ったツールを見つけるための参考にしてください。(製品名 abcあいうえお順/2025年10月時点)
このほかにもおすすめの製品があります。搭載機能や特徴、評価/口コミ数などで絞り込み/並べかえができる「おすすめCRMシステム一覧&検索&比較コーナー」をぜひお試しください。またITセレクトでは、IT製品・サービス選定に詳しい専門スタッフに聞ける「ITセレクトのコンシェルジュ相談サービス(無料)」も用意しています。こちらもぜひご活用ください。

























