テムザックの大型レスキューロボット「T-52 援竜(えんりゅう)」の完全な形での発表会が、25日、東京三鷹の独立行政法人消防研究所でおこなわれた。
「完全な形での」とわざわざつけたのは、今年のお正月に、福岡の出初め式で一度おめみえしているからだ。でも、このときには人間が乗り込んでの操作だった。今回は違う。マスタースレーブ方式での遠隔操作による実演だ*1。これが本来のT-52の姿である。
マスタースレーブというのは、操縦者(マスター)が身体を動かした通りにロボット(スレーブ)が動くというスタイルだ。「ROBO-ONE」のマジンガアや剛王丸の方式っていったほうが、ここではわかりやすいかもしれない。
まずデータシートをあげておこう。
デモンストレーションは、瓦礫の山に塞がれている乗用車の中の人間を助け出すというシナリオで行われた。このときT-52がすることは、人間が助けにいけるための道をひらくことだ。実際の救助は人間が行う。
まず、現場の近くまではクローラで移動する。瓦礫や不整地の上を巨大なものを運ぶ方法としては、いまのところいちばん現実的な解であろう。テムザックの高本陽一社長によれば、将来多足型を研究することは考えているが、この用途には二足歩行は考えていない。人間でさえ“よつんばい”じゃなきゃ進めないようなところであり、二足歩行が向かない現場なのだとのこと。
カメラは頭にもついているのだけど、これは遠景をみるものらしい。現場の様子を見に行くのは腕の先(手首のあたり)についたカメラだ。これがいちばん自由に向きを変えられるから、腕できょろきょろする感じになる。
この腕は、片方で500kgのものを持ち上げられるそうで、木材も鉄柱もひょいっとつまんでどかしてしまう。
*1わたしなんかは、乗り込むよりマスタースレーブのほうがうれしいんだけど、取材中に周りで聞いた範囲では、乗り込む方がうれしいという人の方が多かった。ふつうは鉄鋼無敵科學大魔號よりパトレイバーの方がいいか、そうか。
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