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松下、“地デジレディ”のカーナビ「Strada」新製品を発表

» 2004年04月07日 23時58分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 松下電器産業パナソニック オートモーティブシステムズ社は4月7日、HDDカーナビにAV機能を加えた“カーナビステーション”「Strada」シリーズの新ラインアップを発表した。「from Home to Car」をコンセプトとして、全モデルに「DIGA」や「D-Snap」で録画したMPEG-4動画をSDメモリーカード経由で再生できる機能を追加。さらに、フラグシップの2機種には「Fクラス」という新たなブランド名を与え、ワイドVGA画面にD2端子など、地上デジタル放送を意識した装備を加えた。

photo パナソニックオートモーティブシステムズ社の水野裕副社長

 発表会で挨拶に立ったオートモーティブシステムズ社の水野裕副社長は、一年の節目を迎えた「Strada」を「それなりに好調」と評価。その上で「昨年は商品開発や販売体制の強化に注力したが、今年はシェアを拡大する重要な年だ。国内向け製品では、SDカードをブリッジメディアとする車載AVマルチメディアを推進し、中期的には国内シェアNo.1を狙う」と意気込みを語った。

機種名 概要 価格 発売日
CN-HDS950MD 7型WVGA液晶/HDDナビ/TV/DVD/FM/AM/MD/アンプ 34万1250円 6月12日
CN-HDS900D 7型WVGA液晶/HDDナビ/TV/DVD 31万2900円 6月12日
CN-HS400D タッチパネル付き7型WQVGA液晶/HDDナビ/TV 18万6900円 4月15日
HDDナビは計3モデル。上の2モデルが「Fクラス」

タッチパネル装備の普及モデル「CN-HS400D」

 「CN-HS400D」は、ディスプレイの裏側にHDDを内蔵した一体型の普及モデルだ。画面解像度はワイドQVGA(400×240ピクセル)ながら、このクラスとしては珍しいタッチパネル付きの液晶ディスプレイを装備。地図の視点切り替えや文字入力を簡単に行える。

 本体サイズは202(幅)×117(高さ)×41(厚さ)ミリ。TVチューナーや電源を外付けボックスに収め、さらに基板を1枚化したことなどにより、本体部は従来モデル(HDX300)より約10ミリ薄くなった。「ジャンクションボックス」と呼ばれる外付けボックスのサイズは、44(幅)×40(高さ)×142(奥行き)ミリ。本体との接続は専用ケーブル1本で済む。

photo タッチパネル付きの液晶ディスプレイを装備した「CN-HS400D」

 「from Home to Car」の製品コンセプトを具現化する機能が、「エンタテイメントバンク」だ。SDカード経由でMP3/WMAの楽曲、JPEG画像などをHDDにコピー、再生できるのはもちろん、今回初めてMPEG-4動画にも対応した。MPEG-4は、同社のハイブリッドレコーダー「DIGA」やデジタルカメラ「D-Snap」などで録画したものを想定しており、QVGA(320×240ピクセル)、最大15フレーム/秒までサポートする。

 HDD容量は30Gバイトだが、このうち地図データなどを除くユーザー領域は約12Gバイト。MPEG-4動画なら最大276時間を保存できる。なお、楽曲の場合は一度HDDに移してから再生する必要があるが、動画やJPEGファイルはSDカードから直接再生することも可能だ。

photo 映画「アップルシード」の予告編(MPEG-4)をワイドQVGA液晶の「CN-HS400D」で再生中。ワイドVGA液晶の「HDS900シリーズ」でも、ソフトウェア処理によって全画面表示が可能だ

ハイエンド「Fクラス」

 フラグシップとなる「HDS900シリーズ」2機種には、「Fクラス」という新たなブランド名が与えられた。いずれも7型のワイドVGA液晶ディスプレイ(800×480ピクセル)を備え、また地上デジタル放送など高品質動画の試聴を意識してD2端子を追加している。本来ならワイドVGAの解像度に対してD2端子はオーバースペックだが、「社内で検証した結果、同じワイドVGA画面に表示してもD1とD2の解像度の違いは実感できた。字幕などの細かい文字の再現力に差が出る」(同社企画グループ事業企画チームリーダーの佐藤知彦氏)という。

 また、「SALAS」(Super Accurate Location Algorizm System)と呼ばれる新しいアルゴリズムの搭載により、ナビとしての機能も強化された。SALASは、屋内立体駐車場など、ループ状に走行した後でも正確な自車位置を表示できるというもの。「これまで、GPS電波の受信できない場所やループ状の駐車場出口では、車の上下移動が旋回角の検知に影響を及ぼし、誤差が発生することがあった。SALASは、3Dジャイロのデータを活用し、この誤差を補正する」(同社)。

photo 立体駐車場の出口で方向がわからなくなるのはよくあること。SALASは、ループ状に走行した後でも正確な自車位置を表示してくれる

 2DINサイズのユニットにインダッシュ型の液晶ディスプレイを収めた「CN-HDS950MD」は、30GバイトHDDのほか、DVDドライブ、SDスロット、MDデッキ、5chパワーアンプを搭載した豪華仕様だ。ドルビーデジタル/dtsデコーダーも内蔵しており、スピーカーさえ用意すれば、これ一台で車内にサラウンドAVシステムを構築できる。また、新開発の疑似サラウンドシステム「ワンダーシアターDSP」により、4chのスピーカーでも立体音響が楽しめるという。

photo インダッシュ型の液晶ディスプレイを採用した「CN-HDS950MD」

 一方の「CN-HDS900D」は、オンダッシュ型の液晶ディスプレイと1DINサイズユニットを組み合わせたスタイルだ。HDS950MDとの機能差は、MD、FM/AMチューナー、パワーアンプが省略されていること。同時に発表された1DINサイズのオーディオユニットと組み合わせ、好みのシステムを構築できる。

photo 「CN-HDS900D」は、オンダッシュ型の液晶ディスプレイ
機種名 概要 価格 発売日
CQ-C5300D CD/FM/AM/4chアンプ 3万6540円 4月15日
CQ-C1300D CD/FM/AM/4chアンプ 2万7090円 4月15日
CQ-C1100D CD/FM/AM/4chアンプ 1万9320円 4月15日
CQ-M3100D MD/FM/AM/4chアンプ 3万6750円 4月15日
同時に発表された1DINサイズのオーディオユニット4モデル

 気になるのは、地上デジタル放送対応車載チューナーの登場時期だが、前述の佐藤氏は「現在開発を進めている。時期は明確にできないが、まず通常放送に対応し、その後で移動体向けの1セグメント放送もサポートすることになるだろう。駐車時、移動時など状況にあわせて両者を補完的に利用する形を考えている」と話していた。

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