今年の春は、ポータブルDVDプレーヤーの新製品が花盛りだ。特徴ある製品が多い中で、ポータブルの王道である“小型化”で競合をリードしているのが、三洋電機が3月1日に発売したポータブルDVDプレーヤー「DVD-HP58」。実売4万円前後という低価格も大きな魅力となっているこの注目機を“いろいろ”試してみた。
DVD-HP58の最大の特徴は、そのコンパクトなボディだ。
サイズは163(幅)×158(奥行き)×28.5ミリとDVDケースを一回りほど大きくしたコンパクトさ。ポータブルDVDの多くが本体のみで1キロ前後の重さになっている中、DVD-HP58はバッテリー込みで約733グラムと軽量設計になっている。ボディパーツの多くはプラスチックだが、液晶ディスプレイ裏の天板にはアルミパネルを使いるためか、AV機器“然”とした落ち着いた仕上がりだ。
小型軽量ボディとほぼ正方形のルックスで、手のひらに置いての視聴もバランスよく非常に安定している。単行本並みのボディサイズは、どんなカバンにもスッポリはいってしまうほか、机のちょっとしたスペースにも気軽に置いて楽しめる。
「さあDVDを観よう!」と意気込まなくても、観たいときに観たい場所でスイッチオンですぐに楽しめるのがポータブルDVDの特権だが、DVD-HP58はボディをより小さくすることでそのメリットを何倍にも広げているのだ。
だだし小型化の犠牲になってしまったのが、バッテリーだ。
DVD-HP58はディスプレイヒンジ部の下あたりにリチウムイオン充電池を内蔵。メーカー公称スペックでは「約3時間の充電で約2時間20分の連続再生が行える」とある。
実際に映画を視聴してみたところ、スペックどおり2時間20分ジャストで再生がストップした。暗い部屋での視聴だったので画面の輝度は最低にして、ヘッドホンを使ってバッテリーテストを行ったのだが、明るい部屋で輝度を上げたり、内蔵スピーカーによる音声出力の場合はもう少し連続再生時間が短くなるだろう。
また、メモリー効果が少ないといわれるリチウムイオン充電池だが、やはり使用していくうちに満充電時の連続再生時間は少しずつ短くなっていく。最初から2時間強しか再生できないバッテリー容量は、映画視聴をメインで考えるとやや不安が残る。なお、内蔵充電池は本体裏面(8本)とディスクトレー内(2本)の10本のネジを外さないと顔を出さない(個人での分解はメーカー保証外となる)。
一昔前までは10万円前後したポータブルDVDだが、今春登場している新製品群では5万円以下の普及価格帯が非常に充実している。これら製品のコストダウンに大きく貢献しているのが“液晶ディスプレイ”だ。
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