ソニーの「LIBRIe(リブリエ) EBR-1000EP」も発売が間近に迫り、ブレイクが期待される電子書籍市場。開催されている「国際ブックフェア2004」では、東芝も新型の読書端末を参考展示している。
この端末はWPC EXPO 2003や新聞製作技術展に展示されていた(関連記事1、関連記事2)端末に見られた、同社製読書端末のカラー液晶+両開きというコンセプトはそのままに、ブラッシュアップが図られたもの。
液晶は、縦型7.7インチのTFT液晶パネルを2つ採用。640×960ピクセル、150ppiの画質を実現している。この液晶は既存の液晶パネルを流用したものではなく、読書端末用に開発された専用品。
WPC EXPO 2003の際には、「カラーにはしたいと考えている」という説明がなされたが、現在は「カラーと両開きを基本スペックとして考えたい」とニュアンスが変化している。製品化の時期は未定ながらも、カラー液晶を搭載した製品として登場することになりそうだ。
詳細なサイズは未定とのことだったが、展示品の厚さは閉じた状態で最厚部約30ミリ、最薄部約20ミリ。重量は800グラム以下を目指すということで、A5サイズのサブノートPCより若干小さめの大きさになる見込み。
Macromedia Flash PlayerやUSBインタフェースを備えるほか、SDカードを利用したデジタル著作権保護にも対応する。対応コンテンツ形式は未定だが、著作権保護に関してはSDカード内に暗号解除キーを持たせる形式になる。そのほか、展示品にはワコムのペンタブレット機能も搭載されている。
端末の左右端にはページの送り/戻りを操作するボタンも取り付けられており、操作性やレスポンスも含めて「ストレスフリーの端末を目指す」としている。
現在のところネットワーク機能は搭載しておらず、PCなどからデータを移して利用する形になっているが、ダウンロード機能の搭載も含め、なるべくPCがなくても使える環境作りを目指したいとしている。しかし、高機能化を進めると価格上昇やサイズの大型化を避けることが難しくなることから、同社ではどこまでの機能を搭載するかを今後の課題としている。
価格は現在のところ「10万円程度になってしまうと思う」とのことで、当面は学校や企業での利用を念頭とした製品になる模様。しかしながら、機能を限定することで個人向けの端末を製造することも検討されており、そうした際にはΣBookやリブリエの対抗製品になる可能性もある。
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