英旅券監督局のUKPSは4月26日、希望者1万人を対象に、6カ月にわたるバイオメトリクス技術採用パスポートの実証実験を開始した。また、英国政府は同日、バイオメトリクス情報を組み込んだIDカードの所有とデータ登録の義務付けへとつながる可能性のある法案を発表した。
デービット・ブランケット英内相は昨年11月、組み込みチップにバイオメトリクス識別情報を持たせ、「National Identity Register」という国家データベースとリンクさせることを提案している。
この法案は、一般および専門家から意見を募る検討期間を経て、10〜12月に最終版が英国議会に提出され、2005年4〜6月期に行われる次回総選挙前には制定される公算が高いとブランケット内相は語っている。
データベースは2010年までに開発され、バイオメトリクス技術を組み込んだパスポートや自動車免許証といった形で全国民にIDカードの所有を義務付けるかどうかを2013年までに閣僚が判断する。ブランケット内相は、市民はIDカードの所有・購入を義務付けられるが、常に携行する義務を課される可能性は低いという。
データベースには名前、住所、誕生日、性別、入国情報のほか、指紋、虹彩、顔といったバイオメトリクス情報が登録されることになるだろうと内務省筋は話している。
UKPSによる実証実験の運営に当たる企業Atos Originによると、今回の実験では、指紋、虹彩、顔という3種類のバイオメトリクス情報すべてをテストする。
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