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コラム
» 2004年06月28日 12時47分 公開

Maxellのデジタルペンは、“ITバリヤフリー”を目指す(3/3 ページ)

[小寺信良,ITmedia]
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ノンPCが面白い

 日立マクセル コンポーネンツ事業グループ モバイルデバイス事業部長、竹内 崇(たかし)氏は、PCとつないでどうこうというのは、デジタルペンの用途のほんの一部でしかない、という。

 今回一般に販売されるデジタルペンは、「PCモデル」でありUSB接続だが、BlueTooth搭載のデジタルペン「インターネットモデル」というのもある。さあ、面白くなってきた。BlueToothであれば、当然、物理的ケーブル接続は必要ない。さらにケータイが送信機になる。例えば上記のような「ビジネスメール用紙」も、ケータイと組み合わせれば、完全なノンPCのメールシステムができあがる。

 むろんメールだけではない。用紙とアプリケーション次第では、システム手帳のスケジュール帳を使いながら、グループウェアが連動していく、といったことも可能になる。

 世の中すべての人が、PCを持ち歩いて仕事をしているわけではない。まだまだビジネス手帳とケータイでやっている業界もある。そういう中にデジタルペンが入り込んでいけば、各個人にPCのスキルを求めることなく、ITソリューションが使えるわけである。

 あるいはデジタルペンにWiFiを搭載しても面白い。世界中にあるフリーなアクセスポイントのエリアを歩いて通っただけで、今まで書いたいろいろな活動結果が、あるものは自分のPCに転送され、グループウェアにスケジュールが書き込まれ、同僚や上司にメールされていく。どこのアクセスポイントを経由したかで、何時にどの辺にいたかまで分かるだろう。あ、それはヤだな。

 まあまあ、そんな感じでビジネス展開も可能なのである。ノンPC化のメリットはそれだけではない。もっと足元では、例えば筆者はデジタルデバイドの話を何回か書いた(両親にインターネットを使わせるとしたら――Part2Part1)ことがあるが、例えば自分たちの両親に、デジタルペンとBrueToothケータイを送れば、わざわざパソコンを覚えてもらう必要もなく、Eメールが使えるようになる。孫へのアクセス手段として、Eメールはもはや必需品となりつつあるのだ。

 教育の現場でも面白いことはたくさんできる。書いたものと時間軸が連動していくので、ある問題を解くのにどれぐらいの時間がかかったとか、どういうプロセスで計算していったかなどが、横に付いていなくても手に取るようにわかる。例え通信教育であっても、もっとマンツーマンの血の通ったやり方ができるようになるだろう。

 デジタルペンは、ノンPCの世界でも十分通用するデバイスなのだ。書いてるときはタダのペン。それが最大のメリットである。同じようなことはタブレットPCでも実現できるだろう。だがデジタルペンは、使わせる人に説明の必要すらない。

 いろんな活用法は、これから一般に販売され、実際に使われていくことで、転がり始める。もちろんケータイとのリンクなどは、マクセルだけでできる部分ではないため、各キャリアが話に乗ってくるかが重要になる。うまく話が転がったとき、デジタルペンは、デジタルデバイドの谷間に橋を架けるかもしれない。

小寺信良氏は映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。

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