スパイウェアやポップアップ広告で物議を醸しているWhenUの広告は、Verizonなどの大手にも利用されている――。WhenUの広告主と広告表示の実態について調べた論文がこのほど公表された。
論文を作成したのはハーバード大学の大学院生、ベンジャミン・エデルマン氏。研究室で専用のコンピュータにWhenUのソフトをインストール、ネットワークモニタを使ってWhenUの広告が表示される仕組みを調べた。この過程を通じて、WhenUのデータベースから、表示される全広告のリストを取得。どの広告が、どのドメインやキーワード、検索用語で表示されるようになっているかの相関関係も突き止め、実際にターゲットのサイトを訪問してその広告が表示されることを確認した。
同氏によれば、WhenUに最も多くの広告を掲載している企業は、件数順にPriceline(51件)、J.P. Morgan Chase(43件)、Casino On Net(37件)、Verizon(28件)であることが判明。
WhenUの広告は大部分が直接の競合企業をターゲットとしていることも分かり、例えばVerizonの広告は「csb.sprint.com」「netzero.net」などの競合サイトや「broadband」「dsl_internet」などを含むURLで表示されるようになっていた。
分野別ではギャンブル関連の広告件数が最多の327件。次いでローン、旅行、クレジットカード関連、エレクトロニクス/通信の順となっている。
WhenUはスパイウェアやライバル企業のサイトでのポップアップ広告表示をめぐって訴訟を起こされているが、エデルマン氏はこうした訴訟で原告企業のコンサルタントを務めた人物。ただ今回の論文は、企業などから依頼されたものではなく自分で独自に作成したものだとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR