ビジネスデザイン研究所とNECシステムテクノロジー、フタバ産業の3社は7月12日、サンリオの「ハローキティ」をキャラクターに採用したロボットの試作機を公開した。音声認識エンジンや顔認識機能などを備え、多彩な会話を楽しめるコミュニケーションロボットだ。「1974年に誕生したハローキティは今年で生誕30周年。誕生日の11月1日にロボットを発売したい」(ビジネスデザイン研究所の木村憲次社長)。
気になるスペックは下記の通り。
名前 | ハローキティロボ |
---|---|
身長 | 520ミリ(リボン含む) |
奥行き | 332ミリ(しっぽ含む) |
幅 | 390ミリ |
体重 | 約6キロ(バッテリー含む) |
ハローキティロボは、お馴染みの座った姿勢で身長52センチ(リボンを含む)。腹部の超音波センサーで人が近づいてきたことを検知すると、顔を向けて両目のステレオCCDカメラで相手を認識、リボンに仕込まれたマイクと脚部のスピーカーを使って話しかける。
「こんにちは。キティ・ホワイトです。かわいい名前でしょ?」。
顔認識機能は、10人までの顔を登録可能。このとき、キティちゃんに“呼んでもらいたい名前”を登録しておくこともできる。
「あゆちゃん、今日はなにしてあそぶ?」。
そのときの時刻に合った話題も得意だ。
「もうお昼だよ。 ランチは食べた?」
感情表現も可能で、たとえば喜んだときはヒゲが光る仕組みだ。
会話の内容は、ハローキティの主なファン層でもある30代の女性をターゲットにしたもので、「料理やダイエット、ショッピング、そして健康ネタなど1〜2万種のパターンがある」(ビジネスデザイン研究所営業企画部の塚谷典子マネジャー)という。さらに、なぞなぞ遊び、歌を歌う、星座占いなどの機能も備える予定だ。
ハローキティロボのコア部分には、NECテクノロジーズが開発した「RoboStudio(ロボスタジオ)」が使われている。RoboStudioは、PaPeRoの技術をベースにした汎用ロボットソフトウェアプラットフォーム。「ハローキティロボは、RoboStudioを採用した商用ロボットの第1弾になる」(NECシステムテクノロジー)。
一般的なロボット開発では、複雑なイベント処理やハードウェア制御をまとめてハードコーディングしているが、RoboStudio、音声認識や画像認識といった各機能を「ワーカ」(実行環境)と呼ばれるモジュールで提供し、ロボットのふるまいや会話などを規定する「シナリオ」と分離している点が特徴だ。これにより、シナリオを書く際にプログラミングの知識が必要なくなり、開発期間の短縮が可能になった。「パートナー型ロボットはソフトウェアが命だ。シナリオとワーカを分離することで、シナリオを効率的に作成できるようになった」とNECテクノロジー。
また、この仕組みを利用して、ハローキティロボには後からシナリオを追加することもできるようになっている。ビジネスデザイン研究所の木村社長は、「現在は試作機のためUSBを使っているが、秋(の発売)までには本体に通信機能を持たせ、自動的に(新しいシナリオを)ダウンロードできる仕組みを取り入れたい」と話している。
ハローキティロボは、ビジネスデザイン研究所のWebサイトなどを通じた直接販売のほか、一部の百貨店では店頭販売する予定もある。製造を担当するのは自動車部品などで知られるフタバ産業だ。
気になる価格は「40万円台」とちょっと高価になりそうだが、キティちゃんとお話できるなら高くないかも?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR