NTTコミュニケーションズ、三菱地所、NECの3社は、公衆無線LANサービス「ホットスポット」を利用した「パーソナライズ情報配信トライアル」を東京・丸の内で実施すると発表した。対象エリアにあるホットスポットからインターネットに接続する際、スポットの位置や利用者の嗜好に照らし合わせ、最寄りの飲食店や店舗を案内してくれるというもの。
トライアルの特長は、スポットの位置情報や利用時間といったファクターにより、情報発信時のインタフェースや提供する情報の優先度がダイナミックに変化する点だ。たとえば、店舗情報なら“利用しているスポットから半径1キロ以内にある店”で、さらにアクセス時に“まだ営業している店舗”が表示される。
また、利用者の性別や年齢といった属性情報や、ホットスポットから利用したWebサイトの閲覧履歴なども判断材料に加えられる。たとえば、蕎麦に関連するWebサイトをよく閲覧しているユーザーなら、「食事する」の上位に最寄りの蕎麦屋が表示されるといった具合。一方、モニターが若い女性なら、イタメシ屋やカフェが上位にくる仕組みだ。
ショップ情報などのコンテンツは、三菱地所の地域情報サイト「Marunouchi.com」が提供。また、AI機能はNECのパーソナライズ情報配信プラットフォーム「TPOCAST」を利用している。「蓄積したWebサイトの利用履歴をもとにAI(人工知能)がサービス利用者の嗜好を学習することで、配信する情報の優先度を自動的に変更できる。これにホットスポットの位置情報と組み合わせ、利用時刻(T)、利用場所(P)、嗜好(O)に合わせた情報配信が可能になった」(NEC、NTTコミュニケーションズ営業本部第三ソリューション営業グループの島田直浩課長)。
対象となるホットスポットは、丸の内や有楽町にある48カ所(企業などが設置した非公開スポットを含めると約80カ所)。トライアルの実施期間は7月15日から10月15日までの3カ月間で、ホットスポットユーザーの中から1000人のモニターを募集する予定だ。利用は無料(スポット利用料金などは別途必要)。
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ、ユビキタスサービス部企画グループの細井浩之担当部長は、「これまでも個人の嗜好を蓄積して情報提供に役立てるサービスはあったが、Wi-Fiを利用して検証を行うのは国内初。トライアルを通じてビジネス性を検証し、引いては他社の公衆無線LANサービスとの差別化に役立てたい」と話している。
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