大画面テレビを買って、長時間の留守録ができる大容量HDD搭載DVDレコーダーも揃えた。さて、思う存分AVライフを満喫しよう――。
……と思っていても、平日では帰宅後に食事や入浴などを済ませてようやく落ち着ける時間には夜も深まり、映画や録画したテレビ番組を自慢のサラウンドシステムで大音量で聴こうものなら近隣住民や家族から非難の嵐を浴びることになる。結局はヘッドフォンをつなげて、移動のたびにコードを気にしながらの視聴で我慢しているというユーザーは少なくないだろう。
そんな“夜型AVライフ”を過ごすユーザーにお薦めなのが、コードレスタイプのサラウンドヘッドフォンだ。トランスミッターを使って音声をヘッドフォンに伝送することでわずらわしいコードを排除したコードレスシステムと、映画視聴などには欠かせないサラウンド対応は、パーソナルな夜のAV視聴にはもってこいの音響システムとなる。
そして、コードレスサラウンドヘッドフォンが活躍するのが、いよいよ1カ月後に迫ったアテネオリンピックだ。
今回のオリンピック放送では、美しいハイビジョン映像とともにサラウンド放送も魅力の1つとなっている。立体的なサラウンドの音響効果は、スポーツの躍動感溢れる様子をリアルに再現し、大歓声が周囲をすっぽりと包みこむ感覚は、競技の臨場感を何倍にもして楽しませてくれる。
できれば多チャンネルのスピーカーシステムを使い、大音量でオリンピックの臨場感を味わいたいところだが、前回のシドニー五輪とは違って今回の開催地ギリシアは日本との時差が6時間もあり、夜間に行われることの多い人気競技のライブ放送は、日本では深夜の時間帯になってしまうのだ。
例えば初日の開会式は、日本時間で午前3時からのスタートとなる。またマラソン/水泳/サッカー/柔道/野球など人気競技はいずれも、音量を絞って視聴しなければいけない深夜枠の放送だ。オリンピックのライブ放送の臨場感を満喫したいというニーズには、コードレスサラウンドヘッドフォンが強い見方となるはずだ。
コードレスヘッドフォン自体は5000円前後からあるものの、光デジタル入力を装備したサラウンド対応モデルは意外と少なく、メーカーではパイオニアとソニー、そして今年になって参入したオーディオテクニカの3社ぐらいしかない(日本ビクターの「HP-W150SU」はバーチャルサラウンドでアナログ入力のみ)。
昨年から今年にかけて登場したこの3社のコードレスサラウンドヘッドフォン最新機種をそれぞれピックアップしたところ、ちょうど価格帯で高級機(オーディオテクニカ)/中級機(パイオニア)/普及機(ソニー)に分かれた。価格帯の異なる3機種のレビューを通じて、コードレスサラウンドヘッドフォンの魅力を探ってみたい。
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