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高速起動&クイックレスポンスで“ファンタス”の再来なるか? 「楽レコ」を試すレビュー(3/3 ページ)

» 2004年07月15日 18時27分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 一方、並べ替えや検索の機能がない点は少々不満だ。ページスクロールも可能なので一覧性は悪くないのだが、やはり250GバイトものHDDを搭載した製品になると100番組以上の録画があってもおかしくはない。次モデルでは何らかの形で改善してほしい部分だ。

 実用的な機能に挙げられるのが、「録画予約オートカット」機能だ。これは、ステレオ放送の部分をカットしたプレイリストを自動作成する機能。番組本編がモノラルや2カ国語放送の場合なら、ほぼ適切にCMをカットしたプレイリストを自動作成してくれる。精度として1秒程度の誤差はあるが、とりあえずCMは見ないという人には便利な機能だ。

photo このように「録画予約オートカット」を有効にして予約録画した番組は、同じ番組名でプレイリストにも自動登録される

 もちろん録画自体はカットされていないし、番組自体がステレオ放送であった場合(8分以上連続してステレオ放送が連続した場合)、「録画予約オートカット」は動作しない。要するに、録画に悪影響を及ぼすリスクがほとんどないわけだ。この機能、購入時点では無効になっているが、常時有効にしていても構わないだろう。

 録画画質を事前(録画前)に確認することもできる。実際に録画、再生回路を通した映像を画面に表示してくれるもので、ドラマ、スポーツ中継、アニメなど番組の内容に合わせて自分が必要とする録画画質を選択すれば良い。

photo 事前に実際の録画品質を確認することができる。つまり、画質チェックのために、録画や再生、削除を繰り返す必要がない

“作り込み”に不安なし

 このほか、基本機能には大きな不満はない。再生した番組は停止位置を番組ごとに記憶しており、複数の番組を途中まで再生し、後から続きを見るといった使い方にも対応。CMスキップは30秒単位のみだが、早見、早戻しも2/8/16/32/64倍速と細かいステップ。なお、音声付きの早見再生は搭載していない。

photo 再生を途中で停止すると「HDDリジューム停止中」となり、停止位置を番組ごとに記憶してくれる。この状態でもう一度停止ボタンを押すと、停止位置を消去できる

 外部チューナーからの映像信号に連動した録画機能である「デジタル放送予約」機能もある。ON/OFFは本体側の操作でも可能だ。また、AV入力1のスルー機能も持っているため、AV入力1に外部チューナーを接続しておけば、DVR-HE700の電源がオフであったり、録画中であっても、外部チューナーの映像をテレビに表示できる。テレビのAV入力が少ない場合、あるいは外部チューナーのAV出力が1系統しかない場合などには、かなり便利に使えるだろう。

photo 「デジタル放送スルー設定」を「入」にしておくと、本体の電源がオフであったり、内蔵チューナーで番組を録画しているときでもAV入力1の入力映像をAV出力にスルーしてくれる

 DVR-HE700は、三菱電機がDVDレコーダーに再参入して初の製品だが、基本機能は他社製品と比較しても遜色のないレベルで、しっかりと作り込まれている印象を受けた。同社はいわゆる今年の「新規参入組」だが、それを理由に不安を持つ必要はなさそうだ。

 後編では、最大36倍速のダビング機能や録画画質を取りあげる予定だ。

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