再生フォーマットは、MP3(16〜192Kbps)のほかに高圧縮記録が行えるWMA(32〜160Kbps)に対応。MP3の半分のビットレートで同音質を得られるWMAによって、CD並みの音質(WMAの64Kbps)で約50曲(1曲4分で計算)前後、音楽CD換算で約4枚分の楽曲が収録できる。
プレイリストにも対応しており、希望の曲順に音声データ名を並べて記述したファイルを「PLAYLIST.m3u」という名前でMUSIC_ICフォルダに保存することで好みの曲順で再生できる。
PCとはUSBケーブルを介して接続。USBマスストレージクラスをサポートし、ドラッグ&ドロップによる音楽ファイル転送が行えるほか、USBメモリーとして音楽ファイル以外のさまざまなデータも保存可能だ。添付のUSBケーブルは長さが約1.5メートルもあり、ケーブル径も太めで収納性はあまり良くない。
難点は、USB1.1しかサポートしていない点。音楽CD1枚分(WMA/64Kbpsで11曲、約20.4Mバイト)の転送にかかる時間は、USB2.0対応モデルでは十数秒で済むところ、ICR-RS175Mでは約1分52秒もかかってしまった。転送スピードの遅さはICレコーダーでの録音データ転送にも当然影響してくるので、次回ニューモデルではぜひUSB2.0に対応してもらいたいところだ。
また、液晶表示部は電卓のように10桁の数字(もしくは擬似アルファベット)しか表示できず、当然ID3タグ表示などには対応していない。いまどきのMP3プレーヤーはID3タグ&日本語表示は当たり前なので、このへんの仕様は大きく見劣りする点だ。
MP3プレーヤーとしての音質はどうだろうか。
まず付属ヘッドフォンがダメで、インナーイヤー部分は大きく聴こえる音は“ドンシャリ型”。ヘッドフォンケーブルがFMラジオのアンテナも兼ねているので好みのヘッドフォンに変えることもできない。もっとも、筆者が愛用しているソニーの“耳栓型”「MDR-EX71SL」に変更してみたところ、FMラジオの感度にはほとんど影響なかった。
気になる音質は、S/N比が82dBと比較的高いためかMP3プレーヤー専用機と聴き比べてみても音質の差はわずかしかない。低音域から高音域までしっかりと再生されており、ノートPCで音楽データを聴くよりはるかに高音質。「ICレコーダーの音楽再生なんてオマケ程度だろう」と思っていた筆者の予想を大きく覆す結果だった。
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