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ICレコーダーで“音楽再生&FMエアチェック”――三洋「ICR-RS175M」レビュー(3/3 ページ)

» 2004年07月20日 14時20分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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タイマー録画もできるFMエアチェック機能

 筆者が一番注目したのが「FMラジオ機能」だ。

 FMの選局は全国7カ所の地域から選択する「エリアバンド選局」と手動セッティングに対応。ヘッドフォンケーブルのアンテナでも受信感度は良好で、室内や電車の中でも主要キー局はクリアな音質で聴けた。

 さらに、FMラジオをステレオ音声のまま録音できるエアチェック機能も装備。ICレコーダーでの録音と同様に、MP3方式で4段階の録音モード(HS/128Kbpsステレオ、HQ/64Kbpsステレオ、SP/32Kbpsステレオ、LP/16Kbpsモノラル)でFM放送を録音できる。

 ICレコーダーは録音した日時の記録が必須となるため時計機能を必ず内蔵しているが、ICR-RS175MではICレコーダーならではの時計機能を生かして指定時間に録音・再生が行える機能を装備している。

 そしてこのタイマー機能はFM放送の録音にも使えるのだ。タイマーをセットして受信状態のいい場所に置いておけば、好きなFM番組が自動的に録音される。FMエアチェックの予約録音ができる携帯AV機器としては、ICR-RS175Mは世界最小サイズなのではないだろうか。

 バッテリーは単4形電池を2本使用し、アルカリ乾電池を利用した際の連続動作時間(LPモード、ヘッドホン使用時)は、録音約13時間30分、再生約21時間、ラジオ受信約17時間、ラジオ録音約12時間となる。

photo バッテリーは単4形電池を2本使用

 同社のICレコーダーは、モデル別販売シェアでトップ(GfK Japan調査の2003年7月〜2004年3月の販売データ)になるなど市場でも評価が高く、ICレコーダーとしての操作性/機能/音質は申し分ない。特に汎用性の高いMP3形式でステレオ音声録音ができるため、会議や講演だけでなくピアノの発表会やプライベートなコンサートなど音質にこだわりたいシーンでも十分対応できる実力を持つ。

photo MP3形式で高音質なステレオ“生録”が行える。本体にはステレオマイクを装備するほか、さらに録音品質を追求したいニーズには外部マイク端子も用意されている

 高性能な内蔵マイクや外部マイクも使える録音機能は、オマケ程度でしかないMP3プレーヤーのボイス録音とは雲泥の差。録音専用ボタンを装備するなど、操作性も録音時ではICレコーダーの方が勝る。音楽再生時の操作性や機能面ではまだまだ改善の余地があるが、MP3プレーヤーがICレコーダー化するよりもずっと簡単に実現しそうだ。

 ICR-RS175Mは、ICレコーダーが元来持っている時計機能を「FMエアチェックのタイマー録音」というカタチで開花させた。“ICレコーダーのMP3プレーヤー化”は、これから注目カテゴリーの1つになりそうだ。

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