音声ボリュームなど、通話中の操作は画面下部に表示されるパネルで行う。また、手書きの絵や文字を共有したり(ホワイトボード機能)、AV入力端子を使ってビデオ映像を伝送したりといった使い方も可能だ。入力したビデオ映像は、2MbpsのWindows Media 9にエンコードして伝送する。
デモンストレーションでは、FTTHの普及率が日本一という大島の町長がテレビ電話に登場し、海開きの映像を会場に伝送してみせた。
古賀常務のいうように、フレッツフォンを利用する最大のメリットは、手軽にテレビ電話が使えること、そしてIPv6サービスに加入していれば定額制の“使い放題テレビ電話”が実現することだ。ただし、FLET'S.NETの利用者はまだ2000人ほど(6月末現在)と少なく、またNTT東日本エリアに限られているというネックもある。
IPv4(050のIP電話)のとき | IPv6(FLET'S.NET)のとき | |
---|---|---|
「050」IP電話との通話 | ○注1 | × |
FLET'S.NETとの通話 | × | ○ |
FLET'S.NET(PC)との通話 | × | ○ |
Webブラウズ | ○ | × |
Lモード(注2) | ○ | ○ |
注1:通話先は各ISPの接続先に準ずる、別途テレビ電話の契約が必要
注2:WebブラウザとLモードは排他利用、Lモードは別途契約が必要
NTT西日本では「IPv6の新サービスを検討中だ。時期がくれば発表できる」(NTT西日本の石原氏)としているが、それでもNTT東西のエリアをまたいだ通話は不可能だという。
理由はNTT法による規制だ。古賀常務は「(サービスが同時に提供できない理由は)NTT東日本と西日本が別会社であることが“根っこ”にある」と指摘したうえで、「IPv6網の接続に関しては改めて議論になるだろうが、規制を外してもらえれば……と思う」と率直に規制緩和を訴えた。
一方、「050」番号を使ったテレビ電話にもいくつかの制限がついて回る。一つは、IP電話全般で接続先がまだ限られていること。相互接続の動きも活発だが、通話先の拡大は各ISP次第だ。また、IPテレビ電話は各ISPが新規に提供するサービスとなるため、現在使っている「050」IP電話番号とは違う番号が割り当てられてしまう点にも注意したい。
さらに、「フレッツフォン」にはアナログ電話機能が内蔵されていないため、通話相手によって回線を切り替えることができない。ブロードバンド時代の「黒電話」というキャッチフレーズには合わないかもしれないが、当面は既存のアナログ電話機も並行して使い続けることになりそうだ。
NTTの古賀常務は、「ブロードバンド時代の黒電話は、いまスタート地点に立ったところだ。今後、さらに高機能なものや低価格な製品、あるいは無線LANやバッテリーを内蔵するタイプ、アナログ電話兼用タイプなど、何十種類もの端末を開発していきたい」として、製品ラインアップの拡大に意欲をみせた。
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