セコムは7月22日、屋外を移動して巡回できる監視用ロボット「セコムロボットX」を開発したと発表した。「屋外を巡回する本格的な監視ロボットとしては国内初」(同社)という。
これまでに商品化された警備ロボットとしては、綜合警備保障の「ガードロボ C4」があるが、可動範囲は基本的に平らな床面の“室内”に限定されていた。
同社は2002年10月に、現金護送用ロボット「セコムロボット」を開発。同年4月には食事支援ロボット「マイスプーン」も発表するなどロボット開発には以前から熱心に取り組んでいた。今回の屋外巡回監視ロボットは、同社のロボットとしては第3弾となる。
同社開発センター長の森下秀生氏は、屋外巡回監視ロボットの開発経緯についてこう語る。
「これまでマイスプーンや現金護送用ロボットなど、当社の得意とするセキュリティや福祉といったフィールドで、人の行動に代わることのできるロボット開発を進めてきた」
「近年、国際犯罪が多発する中で港湾や空港などのセキュリティが重要視されている。また、工場/駐車場/倉庫など、屋外の広い場所での巡回・監視ニーズが高まっている。これまではカメラを多数設置したり、人の巡回によって対応してきた。今回のロボットは“人の巡回”に代わることを開発コンセプトにした」
セコムロボットXのサイズは800(幅)×1060(奥行き)×980(高さ)ミリと、車椅子よりも一回りほど小さいぐらいのコンパクトなボディ。大きめのバッテリーを搭載していることもあり重さは約120キロと重量級だが、そのぶん連続走行距離は約24キロと長く、長時間の巡回監視を可能にしている。
ボディ上部には、360度全方位を監視できるカメラを搭載。近赤外照明を搭載しており、夜間でも確実に不審者を確認することができる。また、ボディ前面中央部のハイアングルカメラで詳細な映像を確認できるほか、ボディ前面下部のローアングルカメラで障害物の下側から不審者の様子を確認できるようになっている。また、オプションで熱源探知カメラや人体検知カメラなどを搭載できるという。
そしてセコムロボットXの最大の“売り”は、人間と同じように俊敏に動ける運動性能だ。
移動には電動モーターを使った車輪駆動を採用。普段の巡回時は人間が歩く速度(時速4キロ程度)で自動走行を行うが、不審者を発見した時など緊急時は現場に急行するために、人間が走る速さ並みの時速10キロまでスピードを出せるのだ。
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