注目はやはり「W録」だろう。2番組同時録画はDVD+VHS、HDD+DVD+VHSといったハイブリッド機でも可能だが、これらは片方が必ずVHSテープへの録画となり、正直いって保存用途には向かない。対してRD-XS53の場合は、2つの録画機能は画質的に同等で、またDVDメディアに残したいという使い方にも適している。
地上波の録画に限定すれば、「W録」は非常に有効に機能する。RD-XS53では2つの録画機能を「R1」「R2」として区別し、録画予約では優先してR1が使用される。EPGから録画時間が重複する録画予約を行おうとすると選択肢が提示され、R2での録画予約を簡単に行えるようになっている。またスカパー!チューナー連動機能を用いた外部入力からの録画予約も地上波と同じ扱いになり、ユーザーはそれほど意識することなく「W録」を活用できる。
ちょっと矛盾を感じるのは、内蔵アナログBSチューナーでの録画だ。というのも、内蔵アナログBSチューナーからの録画はR1に限定されており、たとえば地上波で既に「R1」で録画予約された時間帯にアナログBSの予約を追加すると、「R2」での録画予約が選択できるのだが、実際には予約できない。要するに、アナログBSの録画予約を先に行うか、事前に重複する地上波での録画予約をR2に切り替える必要がある。
似たような制限は、DV入力、D1入力からの録画にもあり、DV入力はR1、D1入力からの録画はR2でしか行えない(編集部注:DV入力はW録の対象外)。ただし、D1入力からの録画は外部チューナーからの録画になるので、EPGで優先的に利用されるR1ではなく、R2でのみ録画可能というのは納得できる。
ちょっとややこしいのはR2での録画で、連続録画に“DVD4枚分まで”という制限が加わる。DVD4枚分というと、SPモードで約8時間にもなるため、大きな制限ではないように思えるが、ここでいう“連続”にR1での録画も含まれている点がややこしい。つまり、連続した録画の途中にR1/R2の両方が3分間以上の空白時間(録画がない時間)をおかないと、R2を含む約8時間(SPモードの場合)の録画は行えない。この空白時間を入れると、R2録画は再びDVD4枚分にリセットされるのだ。
これは恐らくHDDのフラグメントを防ぐための対策。R2での録画用にHDDのできるだけ連続した領域を先に確保しておくことで、同時録画を行ってもフラグメントが発生しにくくしているわけだ。幸い、EPGでの録画予約ではR1が優先利用されるため、よほど頻繁に同時録画が発生しない限りR2の録画制限に引っ掛かることはないだろう。ただし“同時録画は当たり前”といった超ヘビーな使い方をする場合には、十分注意しておく必要がある。
予約録画以外でも、ダブルチューナー+ダブルエンコーダーは快適だ。R1/R2は、表示する画面をリモコンでワンタッチ切り替え可能で、リモコンや手動による録画も画面表示に連動している。この点は、2台の録画機を使い分けるよりもずっと使いやすい。
アナログBSを含む内蔵チューナー、連動機能を用いたスカパー!の予約録画では特に大きな制限もなく、2番組同時録画を簡単に行える。ユーザーはR1/R2の2つの録画機能を多少意識する必要はあるが、録画予約が一括管理できる、HDDを効率良く利用できるなど、2台のDVDレコーダーを利用するより便利な面も多い。
ちょっと気になるのは最大32番組という予約数だ。2台分の録画機能を備え、また専門チャンネルの多いスカパー!での予約録画が簡単に行えるだけに、少々物足りなく感じるのだ。
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