アテネオリンピック特需に向けて他社が普及クラスに力を入れたHDD+DVDレコーダー夏モデル戦線の中、一線を画す多機能モデルを投入したのが東芝だ。2番組の同時録画を実現する「W録」搭載の「RD-XS53」を試用した。
RD-XS53の基本スペックを確認しておくと、HDDは日立「MS-DS400」に継ぐ大容量の320Gバイト。DVDレコーダー部はDVD-R/RW/RAMへの書き込みをサポートするDVDマルチ仕様で、番組表からワンタッチで録画予約可能なEPGにも対応。DVD片面に8時間の録画が可能な、他社でいう“EP8時間モード”にもマニュアル設定で対応するなど、2004年春〜夏モデルのトレンドをきっちりおさえた。
RD-XS53は、注目の機能を多く持っている。とくに、2つのMPEGエンコーダーを搭載した2番組同時録画の「W録」(ダブロク)は、HDD+DVDレコーダーでは初となる機能だ。地上波チューナーも2つ搭載しているため、地上波の同時録画も可能。アナログBSチューナーや外部入力端子に接続した外部チューナーを含め、多彩な組み合わせで同時録画を実現している(組み合わせ一覧)。
ソフトウェアは旧モデルに相当する「RD-XS41」から大幅にアップグレードされた。ベースは、現在でも東芝のハイエンドモデルである「RD-X4」に「機能拡張キット」を組み合わせた物で、RD-XS41ではPC連携が必要だったEPGが本体だけで利用可能となり、録画番組の管理機能も強化された。DVD-RWへのダビングはDVD-VR形式もサポートされ、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAMへのダビングはフルフォーマット対応の形になっている。
EPGはインターネットを利用するタイプ。RD-XS53をLAN接続でインターネットに接続する必要がある。DHCPクライアント機能を備えているため、ルータを利用した一般的なインターネット接続環境があれば、設定の必要なく、LANケーブルを接続するだけでEPGは利用可能になる。
新しい「ネット de ダビング」は、HDDに保存してある番組をLANを利用してダビングできる機能だ。対応する製品の間(現状ではRD-XS43/53のみ)なら、LAN経由の無劣化ダビングが可能。複数のDVDレコーダーを利用している人や、買い換え時にも役立つ機能だ。リビングとプライベートルームにそれぞれ対応製品を設置すれば、ネットワークプレーヤー的な使い方も可能になる。
ここまでの機能は姉妹機である「RD-XS43」と共通。RD-XS43はHDDの容量が250Gバイト(RD-XS53は320Gバイト)となり、D1ビデオ入力、コンポーネントビデオ出力、同軸デジタル音声出力などが省略されている。なお、D1/D2ビデオ出力、光デジタル音声出力は備えているので、インタフェース面の根本的な違いはD1ビデオ入力の有無と考えていい。
一方、RD-XS53だけの機能がスカパー!チューナーとの連動機能だ。多くのスカパー!チューナーが備える「高速データ端子」と接続することで、チューナーの電源ON/OFFとチャンネル切り替えをRD-XS53側から制御できる。つまり、RD-XS53側の操作だけでEPG録画予約と予約録画の実行が可能だ。同様の機能は“スカパー!コクーン”こと「CSV-P500」などでも可能だったが、DVDへの保存も可能なDVD+HDDレコーダーでは初めて。
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