今年に入り、普及モデルでも160Gバイト、250Gバイトと内蔵するHDDの大容量化が進み、HDDに録画できる時間も番組数も一気に増加した。しかし、多くの製品で録画番組の管理機能は向上しておらず、むしろトレンドと化している動画サムネイルが操作レスポンスを悪化させている傾向すらある。動画サムネイルは便利な一面もあるが、筆者の感想としては番組名が自動設定されるEPG採用製品では、少なくともサムネイルなしの番組名主体の一覧が選択できてしかるべきだと思う。
RD-XS53の番組管理は、大容量化したHDDと「W録」によるヘビーな録画をきっちりと配慮したものだ。静止画サムネイルこそ採用しているが、サムネイルを無効にした番組名だけのシンプルな一覧も選択可能で、録画時のEPG情報をもとにしたジャンル別一覧も可能だ。日立の「MS-DS400/250」のように録画済み番組でも検索機能が使えれば……と思わないこともないが、録画済み番組の検索性は優秀な方だ。
単階層ながらフォルダ分けもサポートする。フォルダ数が最大24もあれば単階層でも十分だろう。録画時にフォルダ指定をするだけではなく、録画済みの番組のフォルダ分けも少々変則ながら一括処理が可能で、ものぐさな筆者でも使う気になれる機能だ。
一括フォルダ間移動では、番組、移動先フォルダの順で交互に指定を行い、移動作業自体はまとめて行える。複数の番組を先に指定して、まとめて特定フォルダにという操作は無理だが、1番組ずつ作業するよりは効率よくフォルダへ移動できる。選択時にはフォーカスした番組名やフォルダ名が下部に一時的に表示される今回は、RD-XS53と姉妹機のRD-XS43共通の特徴である「W録」と「DEPG」を中心にチェックしてみた。「W録」は間違いなく便利な機能であり、EPGでの録画予約もそれほど2つの録画機能を意識せずに使える。アナログBSの録画も多い人は、とりあえず「アナログBSの録画予約を先に」という点に気をつければ、R1/R2がそれぞれ持つ録画の制限も気にならないはずだ。
もっともRD-XS53は、多機能なぶん価格も相応で、量販店で13万円前後と決して安くはない。これは新モデルの投入が見送られている各社のフラッグシップモデルより高価格という逆転現象も引き起こしており、おそらく現在のDVD+HDDレコーダーの中ではもっとも高価だ。
だからといって、決してAVマニア向けの製品ではない。画質に徹底してコダワるのではなく、あくまで“ヘビーに録画する”人向けの製品だ。さまざまな高画質化技術を投入しているが、ハイエンドモデルに見られる過剰品質ともいえる絵や音へのコダワリがある訳ではない。2番組同時録画や320Gバイトという大容量HDDの採用で高価格にはなっているものの、画質、音質といった点は普及モデルの枠に収まる点は誤解しない方が良いだろう。
次回はダビング機能や編集機能、スカパー連動機能の詳細やPC連携の「ネット de ナビ」などにも触れてみたい。
今度は“W録”、東芝がダブルチューナー搭載の新RDシリーズを発表
「簡単ナビ」を採用したカジュアルDVDレコーダー、東芝「RD-XS33」
多チャンネル時代のEPG「DEPG」を使うCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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