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2台買うより便利? 注目の“W録”を搭載した東芝「RD-XS53」(後編)レビュー(2/4 ページ)

» 2004年08月02日 15時13分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

フレーム単位のチャプタ編集、チャプタの一括削除も

 編集機能はチャプター利用となりチャプターはフレーム単位での設定ができる。チャプターは複数まとめて削除することも可能であり、地上波放送なら本編とCMの境にチャプターを設定すればCM部分だけをまとめて削除する、といった事も可能だ。チャプター削除では物理的にHDD上からの削除も行われる。

photo チャプターの設定はこのようにフレーム単位で可能。早見早戻し、スロー、コマ送りと可変則再生機能をフルに利用しながらチャプターの設定ができる。
photo これはチャプター指定での一括削除。CM-本編-CM-本編-CMという形でチャプターを設定してあるので、奇数チャプターを削除すればCMカットできる事になる。選択したチャプターが把握しやすい画面構成もさすが手馴れている感じだ。

 録画時に「音多連動自動チャプター分割」を利用すると、モノラル、ステレオ、2カ国語と音声方式の切替時に自動でチャプター設定を行う事もできる。番組本編がモノラル、2カ国語であれば(CMはほとんどステレオなので)、パイオニアや三菱電機が採用する自動タイプではないが、CMカットも容易に行える。

 DVDビデオフォーマットでDVDメディアにダビングを行う場合、管理がGOP(15フレーム)単位となるためチャプターの位置にずれが生じる。そこでダビング前に設定済のチャプター位置をGOP単位に変更したり、GOP単位で移動させる事も可能にしている。GOPというMPEG独特に管理単位をあえて明示して、その上で対策方法を提供するあたりは東芝らしいと言える点だ。

 編集機能と少し離れるがRD-XS53はHDD上でも番組のコピーが可能。そこでCMカット作業(チャプター削除)を行う場合などは事前にバックアップを作成する事もできるし、CMカットした番組をダビング、オリジナルを削除する事でHDDのフラグメントの発生も抑える事ができる。またこういった使い方を推奨する事がマニュアルにも記述されている。

きわめて制限の少ないダビング機能

 ダビング機能は制限が少なく非常に強力だ。一般的なHDD→DVDだけではなく、DVD→HDDの高速ダビングも可能であり、ファイナライズ後のDVDビデオ形式のメディアからでも高速ダビングが行える。HDD内でのダビングも可能なので、編集作業前にバックアップを作成することも容易だ。当然だがコピーワンスの番組を録画した場合、HDD内でダビングしたりDVDメディアからHDDへダビングする事はできない。

 複数の番組やチャプター、プレイリストをまとめてダビングできる一括ダビングは、10番組(又はチャプター)ずつサムネイル一覧から選択。競合製品と比較すると一覧性は高いほうだが、並べ替えなどが行えない点は同じだ。ただし「見るナビ」の一覧からも1番組ずつならダビングできるので、大量に録画した番組からピックアップしてダビングする場合はこちらを利用するといいだろう。「見るナビ」ならサムネイル無し一覧や並べ替えも利用できる。

photo 一括ダビングでもサムネイルに依存せずに番号やマークなどで選択した番組が分かり易い画面になっている。これはHDDからのダビングだが、ダビング先としてDVDだけではなく、HDD、ネットワーク(ネットdeダビング)も選択できる。

 RD-XS53/43からの対応となったのがLAN経由で対応機器間でのダビングを可能にする「ネットdeダビング」。ダビング先側で許可の設定なっていれば、ダビング元側の操作だけでダビング行える。LAN接続された対応機器もHDDやDVDと同等の扱いなので、ダビング先として選択するだけで利用できる。

 今回はRD-XS53同士で簡単なチェックを行ってみたが、DHCP環境下であっさりとダビング先として認識され、「ネットdeダビング」が行えた。但しダビング速度は期待したほど高速ではないようで、今回テストした範囲ではSPモードで録画した番組速度で再生速度より速いかな? という程度であった。

photo DHCP環境下のRD-XS53同士では、ダビング先にネットワークを選択するだけであっさりともう1台のRD-XS53を認識し、「ネットdeダビング」が行えた。

 DVDメディアへのダビング速度はRD-X4やXS41から変更なく、PC表記でDVD-Rが4倍速、DVD-RWが2倍速、DVD-RAMが2倍速が最大となる。旧モデルからの変更もないため今回は特にダビング時間に関しては明示しないが、ほぼスペック通りに準じたダビング時間であった事は確認している。

 書込み品質は4倍速対応DVD-Rで国産の日立マクセル製、激安メディアの1つであるBENQ製で確認したが、どちらもPIエラーはともかく妙にPIFエラーが多い。両メディアともPCや安価なDVDプレイヤーでの再生で問題はなかったものの、気になる点だ。自社製のおそらくは同じDVDドライブを採用したRD-X4やRD-XS41でも、ダビングしたDVD-Rメディアの書込み品質を起因とする再生互換性の低さを指摘する声も多く、少々不安を覚えた部分だ。

photo 日立マクセル製の4倍速メディアではPIエラーは低いほうと言えるが、PIFが不思議と多く品質スコアは30と低い評価になっている。
photo こちらはパイオニア DVR-620H-Sで日立マクセル製4倍速に書き込んだメディア。PIエラーはRD-XS53より高めなのだが、PIFが少なく品質スコアは88と高い。
photo こちらは激安メディアであるBENQ製4倍速メディアへ書き込んだ物。これもPIエラーの割りにPIFが多い。

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