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» 2004年08月06日 21時08分 公開

劇場がある暮らし――Theater Style :ホームシアターを始める人のための「スクリーンの“いろは”」 (3/3)

[西坂真人,ITmedia]
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スクリーン生地素材の“いろは”

 スクリーンに使われている生地素材も、視聴環境に応じた最適なものを選ばなくてはいけない。素材を間違えると、外光や迷光(室内に残るわずかな光)の影響を受けたり、暗過ぎる/明る過ぎる/視聴場所によって見え方が異なるといったことが生じてしまうのだ。

 生地素材は大別して「ビーズ」「マット」「パール」に分けられる。

 ビーズタイプは、表面層に超微粒子のガラスビーズを塗布したもので、プロジェクターの投射光を来た方向に戻す「回帰特性」に優れていることから外光の影響を受けにくいのが特徴だ。

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 パールタイプは、真珠のような表面処理を生地に施したもので、ビーズタイプとは逆にプロジェクターからの投射光を入射角度と対称方向に同じ角度で反射させる「鏡面反射特性」を持つ。3管式の天井吊り設置などで効果的な生地素材だ。

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 マットタイプは、表面層に光沢のないマット処理を施し、プロジェクターからの投射光をすべての方向に均等に反射させる素材を使っている。光が様々な方向に戻っていく「拡散性」に優れていることから、視聴位置のベストポジションが広くキープでき、マット処理でしっとり滑らかな映像が表現できるのが特徴だ。

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 「プロジェクターの明るさがまだ300〜400ANSIルーメンしかなかった昔は、スクリーン側の光の減衰をいかに減らして明るさを保つかが重要だった。パールタイプも、パワーのあまりないプロジェクターを天井設置するために生まれたようなもの。だが、最近のプロジェクターは輝度も1000ANSIルーメンを超えるものがほとんどで、ギラつきが目立つパールを使う必要がなくなってきた。当社のスクリーンラインアップからもパールタイプはなくなった」(山下氏)

 現在は、外光や迷光の影響があるリビングから専用シアタールームまでオールラウンドにこなすビーズタイプがホームシアター向けスクリーンの主流になっている。だが、マットタイプでもキクチ科学研究所の「グレイシリーズ」のように、外光や迷光の影響を最小限に抑えた表面処理を施してリビングでもマットタイプならではのしっとり滑らかな映像と高コントラスト感が味わえる製品も登場している。

 「使用するプロジェクターによっても、見え方がずいぶん違ってくる。単純にリビングはビーズタイプ、専用ルームはマットタイプと決め付けることもできない。ホームシアターを楽しむ上で、スクリーンの選択はプロジェクター以上に重要かもしれない。ユーザーが実際に店頭で確認してみるのが一番」(山下氏)

photo ホームシアターに力を入れる販売店では、シュートアウトコーナーを設けてさまざまなプロジェクターとスクリーンとの映像の違いを比較できるところもある。写真は東京・秋葉原のヤマギワ東京本店
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