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コラム
» 2004年08月09日 11時26分 公開

子ども用PCの仕様を考えてみる (2/3)

[小寺信良,ITmedia]

 ハードウェアの仕様としては、ケーブルのトラブルを排除するため、極力配線は不要であるべきだ。ノート型ならキーボードはくっついている。ポインティングデバイスは、絵や図を書く機会も多いため、タッチパッドのようなものではなく、やはり一番オーソドックスなマウスに慣れておいた方がいいだろう。これもワイヤレスで、送受信部も内蔵されていたほうがいい。さらに言うならば、本体のどこかにくっつけられたり引っかけられたりして、収納に困らないような工夫も欲しいところだ。もちろんワイヤレスLANも内蔵のほうがいい。

 外部端子類に関して、経験的に分かったことは、小学生にPCカードスロットを使わせるのは無理だということだ。あれは大人だからこそ、細かいピンが1本でも穴に入らなかったらダメだなという“予想”ができて慎重に挿すものだが、子どもにはその仕組みが分からない。

 娘のVAIO QRは、無線LANカードを見よう見まねで自分で挿そうとしたため、スロットのピンが破損してしまった。端子類は、接点がシンプルで頑丈なUSB端子だけ、といった割り切りが欲しい。

 また子ども用PCには、可動部分が極力ないほうが望ましい。多くのノートPCでは拡張ポートをABS樹脂製のフタで覆うようになっているが、こういうところからすぐに壊れてしまう。端子カバーはショート防止のためにも必要だが、簡単にちぎれない程度の強度を持った、ゴム製にすべきだろう。

 バッテリーは長時間にこだわるよりも、軽量化のほうが重要だ。小学生は、大阪行き新幹線の中でレポートをまとめたりしないのである。最低でも授業時間単位、1時間程度持てばいいだろう。子どもは長時間、集中力も持続しないし、逆にゲームなどにハマるにしても、そのぐらいで休憩してもらわないと困る。

 その代わり、と言ってはナンだが、充電時間は極力短い方がいい。子どもは、充電サイクルを見越して使うような計画的な行動ができないからだ。バッテリー交換も可能であるべきだが、ラッチ一つで子どもでも簡単に外れるのは困る。VAIO QRはバッテリー収納部のフタが小さなネジで止めてあり、そのあたりの配慮は参考になる。

OSをどうするか

 子どもに使わせるパソコンに、どのOSを選択するかは悩ましい問題だ。

 数の論理で行けばWindowsということになるのだが、セキュリティの面で非常に手間がかかる。ウィルス対策にOSやブラウザのアップデートパッチなど、親が手放しで運用することが難しい。

 アップルは古くから教育に力を入れてきた企業の一つだ。旧OS時代には、子ども向けデスクトップ画面の表示機能をいち早く搭載するなどの試みを行なってきた。MacOSは、子どもが使うのに悪い選択ではない。1つのマウスボタンで、ほとんどの操作が可能だ。うちの娘も、幼稚園時代にはSystem 7のMacで子ども用コンテンツのCD-ROMを使わせていたこともある。

 昔のMacの優位性は、グラフィックツールが豊富であったり、教育用ソフトが豊富にあったり、デスクトップ全面を使ったファイルシステムの分かりやすさといった点であった。だが今は、事情が違ってきている。

 パソコンに対する興味は、ローカルで起動するアプリケーションよりも、Webコンテンツへのアクセスにシフトしつつある。パソコンの可能性そのものよりも、Webへの窓といったニュアンスに変わってきているのだ。

 ローカルのファイルシステムを操作する、つまりファイルコピーなどを行なう必然性が、以前とは比べものにならないほど少なくなっているのである。さらにMacOSを選択すると言うことは、自動的に本体もMacを選択するということであり、ハードウェア仕様の選択肢も限られてくる。ましてや日本特有のニーズが反映されることは、期待できそうにない。

 OSとしてLinuxを検討するのは、面白い試みかもしれない。

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