64bitのG5(Power PC970)を搭載したことにより、iMacのパフォーマンスは向上した。クロック周波数こそ1.25GHz(従来の上位モデル)から1.6GHz(今回の下位モデル)とあまり差はないが、アーキテクチャの違いによって特定のアプリケーションではクロック差以上の速度向上が見られる。
アップルが公開したベンチマーク結果によると、たとえばアドビの「Photoshop CS」(フィルタ処理)では従来のiMac(G4/1.25GHz)よりも約55%高速。とくにG5のアーキテクチャが効く「GarageBand」や「Final Cut Express 2」の場合は約70%の速度向上という結果だ。
グラフィックチップは、nVIDIAの「GeForce FX5200 Ultra」を採用している。GPUの設計としては1世代前のものだが、64Mバイトのビデオメモリを搭載したこともあり、従来のiMacと比較すると性能は段違い。アップルによると、「Unreal Tounament 2004」のフレームレートは旧iMacの3倍以上を叩き出すという。
気になるのはG5の搭載による発熱だが、iMac G5では3つの廃熱ファンと空気の流れを効率化するガイドにより、過度の発熱を防いでいるという。廃熱ファンの場所は、HDDの横、放熱スリットの近く、そして電源ユニットの中。ディスプレイ底面のグリルが吸気口を兼ねており、中を通った空気は背面のスリットから外へ抜ける仕組みだ。試しに放熱用のスリット付近に手をかざしてみたところ、かなりの熱気を感じた。はっきりいって熱い。
なお、放熱ファンはOS制御によって回転数を変更できるため、CPUの使用率が低いときには回転数を落として動作音を抑制できる。「アイドル状態の動作音は25dB程度。25dBといえば、1メートル離れた場所で“ささやく”よりも静かだ」(同社)。
ディスプレイのように見える液晶一体型パソコンというのは、日本では決して珍しくない。実際、旧iMac(いわゆる大福iMac)の発表前に「液晶ディスプレイ搭載のiMacが出る」と噂が流れたとき、多くの人は今回の「iMac G5」に近い姿を想像したのではないだろうか。そういう意味で、iMac G5には従来のiMacにあったような“新鮮味”や“奇抜さ”は感じられない。
しかし、かつて「iBook」が半透明のクラムシェル型からホワイトボディに変わったときと同じように、ユニークさはなくなっても、スマートで、多くの人が受け入れやすいデザインになったといえる。とくに、同じ質感を持つ初代「iPod」をはじめ、iPodを所有する多くのユーザーが物欲をそそられるのではないだろうか?
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