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記録型DVDに新概念「Class」を導入、-RAMは16倍へ高速化――DVDフォーラムDVDフォーラム 日本コンファレンス2004

» 2004年10月08日 04時41分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 DVDに関する規格の作成・推進を行う業界団体であるDVDフォーラムのカンファレンスが行われ、DVD規格に関する最新動向が報告された。高速化する記録型DVDの互換性を確保するため、新しい概念「Class」を導入することが示されたほか、DVD-R DLの規格化が間近なことも明らかにされた。

新概念「Class」を導入――DVD-RAMは来年16倍速に

 これまで、記録型DVDは「DVD-R for General Ver2.0」や「DVD-RW Ver1.2」などバージョンNo.がつく「規格」で管理されてきた。しかし、技術革新に伴いドライブ側では高速記録が可能になったものの、メディア側では完全に対応しきれなくなってきている(1倍から16倍までなど、幅広い書き込み倍率に対応するメディアの作成は非常に困難)。そうしたズレを防ぎ、互換性を保持するためにClassの導入が決定された。

 そのため、これまで規格の中に含まれていた「記録」にする部分を「Optional specifications」として抜き出す。そのため、次の規格バージョンアップからは「再生互換性は“規格”で、記録については“Optional specifications”で」という管理方法になり、互換性を表示する方法としてClassを導入する。

 Classそのものは、「記録速度の集合で、少なくとも1つの基本記録速度を持つ」「既存Classの基本記録速度で記録できない高倍速ディスクが必要となったときには、新たなClassを導入すること」「DVD-R/-RW/-RAMについてはそれぞれ別途に定義する」と規定されている。

 具体的に、このフォーラムで来年半ばには16倍速への速度向上が明らかにされたDVD-RAMを例に説明すると、現在、5倍が最高速のDVD-RAM規格はVer2.1。これに対し、16倍速対応のDVD-RAMは規格がVer2.2に更新され、同時にClassも導入されることになる。

 Ver2.2規格では、これまでの2/3/5倍速に加えて6/8/12/16倍速が規定されており、既存の基本速度2倍速・最高速度5倍速の製品が「Class0」、新たに策定が進んでいる基本記録速度6倍速〜最高速度16倍速の製品が「Class1」と規定される。

photo 16倍速対応DVD-RAMと既存製品の互換性を示した図。

 図からも分かるよう、6倍速以上に対応するメディアは、同じく6倍速対応以上のドライブでないと書き込みそのものができなくなる(6倍速対応メディアを5倍速のドライブに入れたても、書き込み速度が5倍速になるのではなく、書き込み自体ができない)。

 Class導入のメリットについてフォーラム側では、「互換性問題を回避して、高速記録ディスクを導入できるようになる」「規格の頻繁な変更やアップデートの必要がなくなる」などのメリットをあげる。もっとも、フォーラム参加者からは「○○倍速対応と表記する方が分かりやすいのではないか」という意見も出されていた。

 Classは対応倍速が速くなるごとに、Class0、Class1、Class2と数字が大きくなっていくようになっており、次世代ディスクのHD DVD-RとHD DVD-REにも導入される予定。

photo Class導入にともない、「DVD」ロゴにもClassが明記されるようになる。

DVD-R DLも間もなく規格化――次世代DVDビデオ規格はネットワーク対応

 DVD+Rメディアに導入されている2層記憶(DL)は、近々DVD-R規格にも実装される。現在、DVD-R DL規格の策定についてはV2.9まで進んでおり、V3.0で正式規格となる。

 DVD-R RLの容量は8.54Gバイトで、書き込み速度は2倍速になる(オプションとして4倍速も規定される)。12センチのほか、8センチも用意される。トラックピッチは現在のDVD-Rと変わらず、スタンダードモード(4.7Mbps)で4時間、ロングモード(1.6Mbps)で12時間の録画が可能になる。

 また、次世代DVDビデオの規格動向についても報告がなされた。これについては2002年4月にある程度まとめられており、「SD/HD双方に対応」「7.1chオーディオのサポート」「プログラム機能を持つアニメーションのサポート」「ネットワーク対応」「キーボードやマウス、リモコンなどさまざまな入力機器に対応すること」などの要望がピックアップされている。

 フォーラムではこれらの要望を「Content Type」という種類で分類しており、「Content Type1」が高精細ビデオ/高品位オーディオへの対応、「Content Type2」が「1」に加えてメニューなどの高品位グラフィックや字幕、インタラクティブ機能の実装。「Content Type3」が「2」に加えてネットワークによるコンテンツアップデートなどを実装する。

 このうち、再生機器に関しては、Content Type3までの対応を必要とする方針を掲げている。

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