ランドセルメーカーの協和は、セコムと提携して「ココセコム」の通信端末を搭載したランドセルを11月に発売する。商品名は「オリビエナビランド」。保護者は、パソコンや電話を使って子どもの居場所を確認できるほか、非常時にはセコムの警備員が駆けつけるサービスも利用可能だ。価格は3万3000円。
「ココセコム」は、セコムが2001年に販売を開始した個人や自動車向けの位置情報サービス。専用端末は「GPS付きの携帯電話から通話機能を省いたようなもの」で、GPSで取得した位置情報を携帯電話網でセンターに集め、利用者に提供する仕組みだ。「オリビエナビランド」では、この端末をランドセルの側面の専用ケースに入れた。ケースはマジックテープで取り付けられているため、着脱も自在だという。
製品名 | オリビエナビランド |
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サイズ | 300×210ミリ(キングサイズ) |
重量 | 960グラム(ランドセル本体) 75グラム(端末とケース) |
カラー | ブラック、レッド、ネイビー、ローズピンク |
素材 | クラリーノタフロック(※1) |
価格 | 3万3000円(税込み) |
サービス料金 | 月額800円 |
発売日 | 11月1日 |
端末の重量は約48グラム(バッテリー込み)で、ケースと合わせても75グラムしかない。「バッテリー寿命は約240時間(カタログスペックは約1週間)。毎晩充電して、朝にケースに入れて持っていくイメージになるだろう」(セコムの上田理企画室長)。
位置確認の方法も、従来のココセコムと同じ。セコムのセンターに電話で問い合わせるか、パソコンや携帯電話で専用サイトにアクセスし、地図で確認できる。もちろん24時間365日利用可能だ。また、保護者が非常時と判断した場合は、オプションで「現場急行」と呼ばれる警備員の“駆けつけ”サービスを利用できる。
「ココセコムは、約21万3000件の契約があり、うち約半数を占める“人用”では、いわゆる徘徊老人を2000-3000件見つけた実績がある。また、約4割が自動車向けだが、こちらも窃盗犯の検挙に協力した実績が150件ほど報告されている」(上田氏)。
なお、GPSの誤差範囲は、電波状態の良いところで5-10メートル。セコムでは「携帯電話の利用できない場所やGPS電波の届きにくいビルの谷間などでは誤差が広がるが、十分な精度を実現できると思う」と話している。
GPS搭載ランドセルを発売する協和は、年間約22万個のランドセルを製造・販売する業界シェア第2位のランドセルメーカーだ。児童の「安全、安心、らくらく」通学をモットーとしており、730グラムの超軽量ランドセルや防犯ランドセルなどを展開してきた。昨年11月に発売した「オリビエ防犯ランドセル」は、防犯ブザーを備えた初のランドセルとして注目を集め、1年間で5万個を販売したという。
自らもセコムの利用者だという協和の子守規子常務は、今回の提携について「通学の課題は、子どもたちが犯罪に巻き込まれないこと。セコムとの提携により、安全性を拡大できる」と説明している。
「オリビエナビランド」は、11月1日から協和の直営店「モンサック」(全国63店舗)および百貨店でを発売する予定。価格は、ココセコムの初期費用や充電器などを含めて3万3000円(税込み)。このほか、月額800円のサービス利用料が必要になる。
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