NECは光ファイバー機器のコストを減らし、通信業者がより効率的に通信サービスを提供できる波長可変レーザー技術を開発した。これは2005年に商品化される見通しだ。同社が最近の取材で明らかにした。
ほかの企業も以前から波長可変レーザーを開発しているが、NECが開発した技術はコスト効率が高いため、現在の光ファイバーネットワークで使われている多くのレーザーの機能に代えて広く利用できると、NECのシステムプラットフォーム研究所の主任研究員ヒロユキ・ヤマザキ氏は説明する。
「このレーザーは競合他社の約半分のコストで製造できると思う。これを各国で販売したいと考えている」と同氏。レーザーのコストがどのくらいになるかについては、同氏はコメントを控えた。
ほかに波長可変レーザーを開発している企業には、Agility Communication、Intel、Iolon、Santurなどがある。
現代の光ファイバーネットワークは複数の波長の上で動いており、比較的古いネットワークは波長ごとに別々のレーザーを使う傾向がある。通信会社はこれらのレーザーを維持するだけでなく、予備を持っておかなくてはならない。
波長可変レーザーを使えば、通信業者は複数のレーザーの代わりに1種類のレーザーだけを導入すればいいため、費用、部品、在庫コストの節約ができるとヤマザキ氏。
光ファイバーケーブルを介して光のパルスを送信するのに使われる波長可変レーザーには主に2つのタイプがある。すべてのレーザーの部品を1つの半導体チップに統合したモノリシックタイプと、微小な可動鏡でレーザーの波長を調整するMEMS(Microelectromechanical System)技術を使ったタイプだ。
通常、モノリシックタイプレーザーは設計が複雑で製造が難しいが、MEMSタイプは効果的に機能させるためにメンテナンスが必要だという。
NECの波長可変レーザーは、NECが半導体チップを製造するのに使うLSIプロセスで作られるため、低コストで比較的簡単に製造でき、さらに光ファイバー通信のさまざまなニーズを満たすだけの柔軟性があり、強力だとヤマザキ氏は説明している。
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR