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デジタル伝送のコードレスヘッドフォン普及版――ソニーらしさ光る「MDR-DS4000」レビュー:コードレスサラウンドヘッドフォン特集(3/3 ページ)

» 2004年11月09日 00時00分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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装着感は〇、だが耐久性は?

 MDR-DS3000と大きく変わった部分がヘッドフォンだ。「オープンエアー型」だったMDR-DS3000に対して、MDR-DS4000は映画視聴用に専用チューニングされた「密閉型」のヘッドフォンを採用した。

photo MDR-DS4000は密閉型(左)、MDR-DS3000はオープンエアー型(右)
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 ハウジング部は縦型の楕円形で、耳をスッポリと覆う感じだったMDR-DS3000とは異なり、耳に密着するスタイルになった。音質を追求した結果として密閉型にたどり着いたのだろうが、従来の気軽で開放的な装着感がスポイルされてしまったのは残念だ。

photo MDR-DS4000を実際に装着したところ

 密閉型への仕様変更に合わせて、ハウジング部もスポンジのような素材から薄く柔らかなビニール製に変更された。同社のヘッドフォン普及モデルでよく採用されているこの素材は装着感がよく、長時間使用していても耳があまり痛くならないメリットがある一方、ちょっとしたキズでめくれてしまったり長期間使用すると表面がボロボロになってくるというデメリットもある。3万円前後のヘッドフォンとしては、チープさは否めないところだ。

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 ヘッドフォン側に電源スイッチはなく、頭に装着してフリーアジャストバンド部が伸びた時だけ電源が入るという従来機の仕組みを継承。重さはバッテリー込みで約300グラム。口径40ミリの新開発「XDロングストローク振動板」を採用し、50Hz以下の低音再現性を向上させている。

コストパフォーマンスとソニーバリューが魅力

 今回デジタル伝送という高音質化を成し遂げたMDR-DS4000は、11月10日の発売時点ではデジタル伝送方式でもっとも安価なモデルとなる。だが翌月12月には、松下電器産業が満を持して投入するコードレスサラウンドヘッドフォン「RP-WH5000」が実売で4000円の差をつけてデジタル伝送方式最安価モデルの座を奪っていく。この両機種はスペック面でもほぼ同等だ。

 コードレスサラウンドヘッドフォンの基本性能の高さとともに、装着感や簡単充電スタイルなど、長年ヘッドフォンを手がけてきたソニーならではの、ちょっとした部分の配慮が光るMDR-DS4000は、スペックでは表せない魅力を持っている。

 デジタル伝送&MPEG-2 AAC対応の安価なモデルを待っていた“ソニーファン”なら、文句ナシにお薦めの一品だ。

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