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安心を「作る」――ホームセキュリティのコアパーツ「モニコンステーション」レビュー(1/3 ページ)

» 2004年11月12日 12時54分 公開
[大塚実,ITmedia]

 犯罪は増加し、検挙率は低下する一方のこのご時世。セキュリティに興味を持つ人は、以前より確実に増えてきている。しかし、ちゃんとしたシステムにはそれなりの費用(初期投資+ランニングコスト)が必要で、「そこまでお金はかけたくない」という人も多いはず。

 そんな人にぴったりなのが、テンパール工業の「モニコンステーション AMC-ST」(以下、モニコン)だ。ネットワークカメラや各種センサーなどを用意すればDIY感覚で防犯システムを構築できる、家庭内防犯システムのコアパーツとも呼べる製品だ。

photo モニコンには、マニュアル(紙+CD)、それにネジと電源ケーブルが付属する

 いきなり「テンパール工業」と言われてもピンとこないかもしれないが、同社は中国電力の関連会社であり、一般住宅向けのブレーカ・分電盤などではパイオニア的企業。電設(電気設備)業界では、名の知られた存在だ。そんな同社らしくモニコンの製品デザインは極めてシンプルで、一見すると「本当に一般向けに販売する製品なの?」と思うほど。ではあるが、すでにオンラインショップでは販売が開始されており、実際に購入することが可能となっている。

photo 付属するマニュアルはこれ。いきなり「施工マニュアル」と言われましても…

用途は防犯+その他

 モニコンは、ブロードバンドの常時接続を前提としたネットワーク製品。すでにFTTHやADSL回線などが導入済みの家庭を対象としており、ルーターのLANポートやハブと接続すれば設置は完了する。導入にあたって注意したいのは、モニコンにはDHCPクライアント機能はないこと。デフォルトでIPアドレスは「192.168.0.254」になっているので、場合によっては、DHCPサーバーのアドレス割り当て範囲やモニコンのアドレスを変更する必要がある。

 接続が済めば、あとはモニコン本体のWebサーバー機能により、PC・携帯電話のブラウザから、取り付けたセンサーの状態を確認したり、機器のON/OFFをコントロールできるようになる。ネットワークカメラはオプションとなっているが、機器の性格上、ほぼ必須と考えていい。同製品に対応したものであれば、モニコンとの間で画像の転送など、連携も可能になる。

photo モニコンの機器操作画面。各種設定なども、すべてブラウザから行う

 WAN側のIPアドレスは固定アドレスである必要は無く、ダイナミックDNSが利用できる。Dynamic DO!のサービスに対応しており(無料コースでも可)、そのID・パスワードを設定しておけば、自動更新も行ってくれる。ただし、外部ネットワークからLAN内のモニコン・ネットワークカメラにアクセスする必要があるので、接続するルーターはポートフォワーディング機能などに対応している必要がある。

photo 本体に用意されている端子は、センサー入力×4、手動操作SW入力×2、メールON/OF用SW入力、HA機器接続用×2、負荷接続用×2。別途、接続機器を用意することで、防犯やそれ以外の用途に応用できる

 実際の利用シーンとしては、以下のようなものが考えられるだろう。

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