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» 2004年11月16日 11時26分 公開

レビュー:シアター感覚をカジュアルに――エプソン「LIVINGSTATION」 (1/2)

圧倒される画面の大きさ、精細で美しい映像、色再現性の高さなど、フロントプロジェクターと直視型テレビ双方の優れた部分をうまく享受している「LIVINGSTATION」。シアター感覚が味わえるほどの画面サイズを実現しつつ、カジュアルな視聴スタイルでかまわない、そんな懐の深さをレビューで探ってみた。

[ITmedia]

 セイコーエプソンがPTV「LIVINGSTATION」を発表した際、従来の“リアプロTV”を想像してあまり期待をしなかった人も多いはずだ。“リアプロ”でどこまでできるのか、そんな邪推もあっただろう。しかし、その画面に映し出される映像を、ひとたび実際に観れば、そんな考えは一瞬で吹き飛んでしまう。

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 最初にこの製品を目にしたとき、圧倒されたのはやはりその画面の大きさだ。47万8000円という価格から想像しうる範疇をはるかに超えている。つまり、これは57V型(ELS-57P1)の話だが、47V型(ELS-47P1)の35万8000円という価格にも驚かざるをえないだろう。ダイレクト販売のみのため、プラズマテレビや液晶テレビと店頭で競い合うことはないが、仮に同価格帯の直視型製品と並べられていたとしたら、どちらが大きな注目を浴びるかは言わずもがなである。

 気になる表示品質も期待以上のレベルだ。画面は隅々まで明るく、輝度や明度のムラなどはほぼ見受けられない。もっとも、レビューした製品では当初、映像モードが「ダイナミック」になっていたため、人物の顔がのっぺりとしており、「ああ、やっぱり映像は粗いのか」と少しがっかりしたのだが、「ナチュラル」へと切り替えることで、その精細で美しい映像こそが、真の実力なのだとすぐに悟った。

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 ちなみにLIVINGSTATIONのカラーモードは、店頭などにおいて鮮烈な映像を演出する「ダイナミック」、スポーツ・ドラマなどテレビの標準的な映像を比較的明るい環境で視聴する「ナチュラル」、ホームシアターとして映画鑑賞用に比較的暗い環境で視聴する「シアター」の3モードに、ユーザーが色調を調整してメモリーできる「カスタム」が2モード分用意されている。

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液晶パネルを知り尽くしたエプソンならではの映像美

 精細で美しい映像の中でも、とりわけ、色の再現性は高いように感じられる。これは筆者が普段、個人的に液晶プロジェクターや液晶ディスプレイの映像を見慣れているせいもあるかもしれないが、偏りがなく、落ち着いて鑑賞できる色合いだ。テレビに、ホームシアターにと、さまざまな用途に対応可能なPTVは長時間付き合う可能性が高いだけに、これは重要な要素といえるだろう。

 もちろん、明るさや動きのスムーズさも問題ない。多くのプロジェクターで採用されている液晶パネルの供給元であり、その特性を知り尽くしているエプソンだけに、その真価をうまく引き出しているのだろう。光源の冷却ファンの動作音に関しても、ほとんど気にならないレベルに抑えられており、勝手に抱えていた懸念はすべて払拭された。

photo ランプは本体前面から簡単に交換できる

 しばし、D4入力で地上デジタルのハイビジョン放送を視聴したり、DVDプレーヤーで映画を鑑賞しているうちに感じたのは、至極当然だが、やはり直視型テレビとフロントプロジェクターの中間にあたる存在だなということ。しかも、中途半端なスタンスに陥るのではなく、双方の優れた部分をうまく享受できている。

 もちろん、投影サイズではフロントプロジェクターに、映像の緻密さでは直視型テレビに及ばない部分もあるかもしれない。しかし、実際の運用を鑑みれば、非常に巧妙にバランスが取れた位置に立っているのである。

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