列車内でのブロードバンド接続サービスの現実が近づいてきているようだ。日本テレコムは、北海道旅客鉄道(JR北海道)と協力して列車内でのブロードバンド接続の実験に成功した。
実験は、沿線に設置されたアクセスポイントを経由して、列車内からインターネットに接続するというもの。列車の最高速度は時速130kmだが、全線に渡り最大で15Mbpsのスループットが確認され、約2kmの湾曲したトンネル内でも良好な結果が得られたとしている。
沿線のアクセスポイントは、都市部で0.5km〜1km、郊外は1〜2km、直線区間は2〜4kmごとに設置。複数のアクセスポイントが1つのゾーンを形成し、このゾーンごとに光ファイバーなどの有線回線を接続。有線回線が接続されたアクセスポイントがゾーン内のほかのアクセスポイントにトラフィックを無線で中継する形を取っている。なお、IEEE 802.11gが用いられている。
列車側には、運転席と最後尾に指向性アンテナが設置され、ここから列車内のアクセスポイントに接続。乗客は、この列車内に設置されたアクセスポイントに接続することになる。
この実験だが、新千歳空港と札幌を結ぶ千歳線のうち新千歳空港〜松島の約10km(通過時間は7〜8分)で実施。7月からは、電波の特性などを検証する第1回基礎伝搬試験、10月頃からはWebやIP電話を利用したアプリケーション実験がそれぞれ行われた。
アプリケーション実験では、普段PCから利用するようなWebやメール、Webカメラによる動画の転送、IP電話が用いられた。いずれも良好な結果が得られ、複数のゾーンをまたぐハンドオーバーにおいても、動画や音声のとぎれは確認されなかったという。
さらに、実験室では時速500kmを超える高速移動体でも15Mbpsのスループットが確認されているという。
なお商用サービスの提供については、今のところ未定だ。
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