「携帯でビデオ娘。」の襲撃からおよそ3週間。ITmedia編集部に、怪しく黒い光を放つピラミッドが届いた。
「携帯でビデオ」(KV-900)は、メモリカードにMPEG-4録画を行い、ケータイで視聴できるようにするビデオレコーダーだ。3G携帯電話での動画標準となっている3gp準拠のMPEG4フォーマットを使い、SDメモリカード、またはminiSDメモリカードに録画できるという。早速、そのピラミッドパワーを検証してみよう。
その前に少し捕捉しておきたい。「携帯でビデオ」は、ソリッドアライアンス、三菱樹脂、メディアリング、コネクトテクノロジーズの4社が共同開発したものだが、4月の製品発表から半年近くも発売が延びていた(ピラミッドは発売時期も神秘なのだ)。最近になって発売日が12月3日に決定。「携帯でビデオ娘。」の登場となったわけだ。ソリッドアライアンスとメディアリングの直販サイト、もしくはビックカメラなどの大手家電量販店で入手できる。
さて、ビデオレコーダーといっても「携帯でビデオ」はテレビチューナーを内蔵していない。コンポジットのAV入力端子を備え、ビデオデッキなどの映像出力とケーブル接続して録画するスタイルだ。ただ、AV信号の入力に連動した録画機能があるため、ビデオデッキなどに接続しておけば、デッキ側のタイマー録画に合わせて自動的に録画を始める(後述)。
動画再生は携帯電話で行うことが前提だ。対応機種は、NTTドコモのFOMA「900」シリーズが中心だが、一部のPDCやvodafoneの「V601SH/V602SH」「SH53」などでも再生可能。残念ながら、auには対応機種がない(対応機種一覧はメディアリングのWebサイトを参照)。
録画時の画面サイズは「L」「S」の2通り。「L」(ラージ)は176×144ピクセル(QCIF)、「S」(スモール)は128×96ピクセルとなっている。また、それぞれのサイズで「F」(ファイン)、「n」(ノーマル)、「E」(エコノミー)という3段階の画質を選択できるため、計6段階の録画品質設定が可能だ。録画品質は本体のボタンで1つで切り換え可能。インジケータ部には「L-F」「S-E」といった形で表示する。
また、再生する携帯電話の機種によってビットレートが変化するようになっており、富士通製を除くFOMA「900シリーズ」では、端末種別を「SPE」に設定すると、画面サイズこそ変わらないものの、より高いビットレートで録画が可能になる。
プレスリリースにある「128Mバイトのメモリカードに2時間の高画質録画」は、機種設定を「SPE」以外に設定した場合の、画質「F」設定時だ。「SPE」に設定するとかなりビットレートを引き上げるようで、画質「F」では128Mバイトで約42分間、画質「E」でも約83分間になってしまう点には注意したい。まぁ、画質相応ということなのだろう。
なお、機種設定情報はメモリカードに記録しているようで、複数のケータイで利用する場合にもケータイごとに利用するメモリカードを決めておけば、適切な録画品質で録画できる。家族で利用する場合など、複数のケータイを使っていても不便は感じない。
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