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カラー液晶+プラスタッチでフルモデルチェンジしたgigabeat Fレビュー(3/3 ページ)

» 2004年11月26日 18時53分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 楽曲データの転送には、付属アプリケーションの「gigabeat room」もしくはWindows Media Plyer10を利用する。

photo gigabeat room

 このgigabeat roomは音楽CD、もしくはPC内部に保存されているMP3/WMA/WAVの楽曲データをgigabeatへ転送することができるが、WMP10やiTunesと違って、ジュークボックスソフトとしての機能を持たない(楽曲の再生は可能)。しかし、CDからワンボタンで転送を行う「RipRec」機能を備えており、手軽に楽曲の転送を行うことができる。

photo gigabeat roomの左上部、CDのマークの右にあるボタンをクリックするだけでCDリッピング-転送が行える。クレードルを利用していれば、クレードルのボタンを押すだけでも同様の動作が可能

 gigabeatをPCと接続するとWindowsからは外付けHDDとして認識され、ファイル名なども確認できるのだが、gigabeatは同社独自のセキュリティ保護を施したファイルのみを再生するようになっている(gigabeat roomもしくはWMP10で転送する際に、元のファイル名.satという形式に変換される)。そのため、エクスプローラなどで直接ファイルを転送しても再生することはできない。なお、音楽CDからリッピング-転送を行う際のビットレートは、デフォルトではWMAの128kbpsとなっているが、それ以外にも48〜192kbpsの間で設定できる。

 自動もしくは手動による同期機能も備えており、あらかじめ「My Music」など同期対象となるフォルダを設定しておけば、gigabeat roomのメニューもしくはクレードルに設けられているボタンから同期が行える。指定したフォルダの下部に存在するフォルダも対象となるので、階層構造となっている場合でもそのままgigabeatへ転送できる。

 gigabeat Fは曲にあわせて再生画面にジャケット写真などを表示させることもできるが、その設定もgigabeat roomから行う。gigabeatもしくはPC内部の曲データにカーソルをあわせ、「ツール」「曲情報」の画面を呼び出し、「参照」から任意の画像データ(jpeg形式)を選択すれば自動的に75×75ピクセルにリサイズされてgigabeatへ転送される。あくまでも曲にあわせて写真表示をするのが目的となっており、iPod Photoのようにフォトビューワー的な機能は備えていない。

photo 画像を転送すればカラー液晶で見ながら音楽を聴くことができるが、1曲ごとに設定しなくてはいけないところはやや面倒

意欲的なNew gigabeat――全モデルへのクレードル標準添付を望む

 付属のヘッドフォンはgigabeat Gシリーズに添付されていたものと異なり、奥行きのある、特徴のある形状をしている。筆者の所有しているG5付属のものと聞き比べてみたが、やや低域を強調するような傾向があるものの、全域に渡ってバランス良く鳴っているような印象を受けた。

photo gigabeat Fに付属するヘッドフォン(右)とgigabeat G5に付属するヘッドフォン

 また、アコースティックやロック、ダンス、ボーカルなどといった28種類の及ぶイコライザー(ユーザー設定も可能)のほか、立体的な音響感を作り出す「SRS WOW」も備えており、本体だけでもかなりの音作りが可能となっている。いくつかのジャンルの曲をイコライザやSRS WOWを切り替えながら視聴してみたが、エフェクトの効きも自然で全体的にはかなり満足のいく印象を受けた。

 1.8インチHDDとカラー液晶を搭載したポータブルオーディオプレーヤーとして、期せずしてiPod Photoのライバルに名乗りを上げた形となっている本製品だが、プラスタッチや16時間にも及ぶ連続駆動時間など、本製品ならではというポイントも多く備えるだけに、プラスタッチのインタフェースに感じた違和感は残念だ。

 加えて、曲選択などの操作は正面のプラスタッチ、電源と音量の操作は右側面という操作系についても、クリックホイールですべての操作が完結するiPodに比べると、やや煩雑な印象を与えてしまうかもしれない。しかし、「RipRec」によって、ワンボタンでCDからのリッピング−転送が行えることは、iPodにはない大きなメリットだ。

 本製品の価格はオープンだが、同社直販サイトでの価格はF10(10Gバイトモデル)が3万9800円、F20(20Gバイトモデル)が4万4800円、F60(60Gバイトモデル)が6万4800円の予定。

 最上位機種のF60には、リモコンのほかUSB/LANインタフェースを備えたクレードルが標準で付属する。このクレードルに用意されているRipRecボタンは、ライバル機種にはない機能なだけに、F10/20にも標準で付属していればさらに魅力的だと感じるが……。

photo F60には標準で付属するクレードル。右にあるのがCDリッピング-転送をワンボタンで行えるRipRecボタン
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