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ライフスタイル提案型のホームシアターショップ「GRANDアバック」劇場がある暮らし――Theater Style(1/3 ページ)

» 2004年12月03日 20時17分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 AV機器専門店としては日本でも最大規模を誇る「アバック」。従来はAVのクオリティと機能にこだわるマニア層を主なターゲットとし、ホームシアター市場の成長にも一役買ってきた。“専門店と量販店”という、ある意味で相反する方向を両立させ、さらにはホームシアター施工など日本ではまだ少ないインストーラーとしての役割を担うところもユニークだ。最近ではマンションデベロッパーや住宅販売会社と、ホームシアター付き住宅開発でコラボレーションを行うなど、その活動はますます活発になっている。

 そのアバックが、日本有数のビジネス街・新宿西口の高層ビル群の中に新しいスタイルのオーディオ・ホームシアター提案型店舗「GRANDアバック新宿店」を満を持して出店したのは先月11月のことだ。

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 GRANDアバック営業部・部長の加藤政弘氏と、GRANDアバック新宿店のシアタールームを手がけたAVシステム部長兼チーフインストーラーの石橋栄智氏に話をうかがった。

カジュアルにホームシアターを楽しむ層を開拓

 従来のアバックはAVマニア層をターゲットとし、他店では並べての視聴が難しいような幅広い価格層/タイプのホームシアター用プロジェクターを同時に比較できる点が魅力だった。画質にこだわるマニアが、完全遮光された空間でじっくりと製品の実力を検証できる場というのは意外に少ない。ほとんどの主要ベンダー製プロジェクターやAV機器を扱うアバックならではの環境である。

 しかしホームシアターを構築するユーザー層は、低価格製品の高性能・高品質化と共に変化してきた。加藤氏は最近のホームシアター市場動向についてこう話す。

 「かつてのAVブームでは、クオリティにこだわるマニア層のお客様が多くいらっしゃり、それだけで大きな市場を作り出していました。当時は猛烈に製品の品質も上がっていましたし、新しいフォーマットの導入も活発だった事も一因でしょう。しかし現在は品質が底上げされ、エントリーレベルの液晶プロジェクターでも非常に美しくなってきました。単価も全体的に下がってきています。そこで生まれてきたのが、よりカジュアルにホームシアターを楽しむ層だと思います」(加藤氏)

photo GRANDアバック営業部・部長の加藤政弘氏

 そうした背景を踏まえた上で、ホームシアター専門店がまだ存在しなかった新宿のオフィス街にある新宿ヒルトンの地下に店を構えた。機器の性能比較を中心にしたものではなく、ユーザーへのホームシアター提案型の新規店舗として名前にも“グランド”を冠したという。

 「3つのリビングシアターと4つのスタジオを用意し、それぞれにお部屋の提案を行っているのが特徴で、機材展示よりもライフスタイル提案に重きを置いています。本格的な専用シアタールーム、最新機材を取りそろえたマニア向けの部屋、それにビギナーも手軽に始められるリビングシアターです。最新機材を比較できるスタジオも、もちろん従来と同様に設置していますが、シュートアウトで比較する場を提供するコンセプトはもう古いと考えています」(加藤氏)

photo ミニ映画館を自宅の専用ルームに造るイメージのアメリカンシアター・ショールーム「FUTULIA」
photo 機材中心型メカニカルシアター・ショールーム「MECHALIA」
photo オープン型のリビングシアター・ショールーム「HIDELIA」

 「AVマニアではないお客様は、AV機器は複雑で面倒で難しく、さらに値段もとても高いと思っている人が多いでしょう。でも、1万9800円のDVDプレーヤと4万9800円のAVアンプ、それに12万円のプロジェクターでも、やり方次第で部屋を映画館のように仕上げることができる。そんな手軽さを、自分たちが簡単に使ってみせる事で理解していただき、気軽に導入できる雰囲気をリビングシアターで味わって頂きたいですね」(加藤氏)

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