ほんの数年前まで、シャープはオーディオ分野ではあまり目立った活動はしていなかった。しかし、1999年に1ビットアンプ技術を投入したピュアオーディオ製品の提供を開始。これこそが定価100万円という高級アンプ「SM-SX100」だった。
1ビットアンプでは、サンプリングのビットを広げるのではなく、逆に最低限の1/0とし、その分、高速サンプリング(最高級機ではサンプリング周波数22.5MHz、スイッチング周波数11.2MHz)で信号増幅を行い、音の分解能・解像度を確保している。
現在、シャープは1ビットアンプ技術を、189万円の「SM-SX300」など高級機種だけではなく、ポータブルMDやMD/CDラジカセまで、幅広いオーディオ関連製品(サンプリング周波数は異なる)に採用。今回紹介する「SD-AT1」も同様で、“1ビットデジタルシアターシステム”と銘打たれている。
製品は5本のスピーカーとサブウーファー、そして、薄型のアンプで構成。5本のスピーカーは、一見すると同一のようだが、実は違う。フロントとセンターは同タイプなものの、箱から出す時点で、リアの2本が異様に軽いことに気づくだろう。いずれも8センチのフルレンジスピーカーユニットを採用するが、フロントとセンターの各2個に対し、リアは各1個だけになっている。ただ、箱のサイズは同じで、しかも、105(幅)×251(高さ)×125(奥行き)ミリと、ほかの製品と比べるとやや大きめだ。
各スピーカーには白/赤、緑、青/灰のラベルが貼られ、区別されているのは、ほかの製品と同様。しかし、スピーカー端子は単品オーディオ製品のように、+/−が赤と黒で識別でき、また、ケーブル側にはチャンネルカラーのマーカーのほか、赤黒の極性もつけられている。個人的には、こちらのほうがわかりやすかった。
アンプへのスピーカーケーブル接続は、ツメで固定するコネクタではなく、ソケットタイプとなる。もちろん、上下の区別はあるのだが、ぱっと見でわかりにくいのは、やや不便。ケーブルの長さはフロント、センター、サブウーファーが5メートル、リアは15メートルとかなり余裕がある(というか、一般的な環境だと余る)。
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