屋外で大量のデジカメ撮影を行う場合に困るのが、データの退避だ。画素数の多いデジタル一眼レフカメラ(DSLR)は1枚のファイルサイズが大きいためか、多くのDSLRが大容量メディアが用意されているコンパクトフラッシュ(CF)を使用している。
高画質JPEGもファイルサイズが大きいが、RAWモードを使うとファイルサイズはさらに数倍になり、512Mバイトのメモリカードでも決して十分ではない。このため、どうしても撮影途中に別の媒体にバックアップする必要がある。
CFからのバックアップ用としてノートPCを使う手もあるが、すでに所有しているならばともかくバックアップ用に新規購入するのはコストパフォーマンスが悪い。そこで気になる商品が飛鳥から出ている「Tripperシリーズ」だ。
Tripperシリーズは2.5インチのHDDを内蔵したCFのバックアップマシンで、自宅に戻ればUSB接続の外部HDDとして使用できるものだ。中でも最近の大容量CFに対応した最新製品が「Tripper Next」だ。今回はシリーズ最大容量となる80Gモデル「Tripper Next 80」を試用したので、そのレポートをお届けしよう。
Tripper Nextは文庫本2冊を一回り小さくした程度のバックアップ装置で、液晶表示と円形のパッドとEnterボタンだけで、簡単操作でCFのファイルコピー、リストア、移動が可能となっている。
またUSB2.0コネクタが付いており、PCに接続するとUSB接続CFアダプタ、HDDとしても利用可能となる。駆動は内蔵バッテリーのほか、ACアダプタ経由での動作が可能で、携帯用にキャリングケースも付属する。
実際にCF(レキサーx40 Professional 512Mバイト)に、ほぼいっぱいの画像を入れて、連続してバックアップを取ってみた。
Tripper Nextは通常の「バックアップ」作業以外に、操作数を減らした「クイックバックアップ」とファイルの移動が用意されているが、ここではクイックバックアップを連続して行った。実際の使用状況を加味して、バックアップ→電源オフ→電源オン→バックアップという作業を行っている。この場合は撮影→吸出し→撮影の作業を繰り返したことになる。
バックアップは毎回フォルダを設定することになり、クイックバックアップではフォルダ名が自動的に「年月日.数字」となる(バックアップや移動も初期値は同じ)。数字は自動的にインクリメントされるので、いつバックアップを取ったのかが分かりやすくなっている。
上記の環境での1回のバックアップには約254秒かかった。また、フル充電からは12回のバックアップ作業が正常に終了し、13回目の途中(55分21秒)の時点でバッテリーなしの画面となり途中終了した。公称使用可能時間は60分であるが、ほぼその程度の時間利用できた。ちなみに60分の公称使用時間は80Gバイトモデルのみで、他のモデルは45分となっている。これらはいずれもCFの消費電力にも左右されるのであくまでも目安だ。
バックアップ時間はCFの読み取り時間の関係ですぐに終了するわけではないが、オートパワーオフ(無効/1/3/5分)の設定があるので、バックアップを開始してすぐに別のCFで撮影を行っていれば、バックアップ終了後に自動的に電源を切れる。これならば、バッテリーを無駄にしない上に撮影中断が最小限となるだろう。当然ながらオートパワーオフはバックアップ中には動作しないので、最短の1分に設定しておくのがよいと思う。
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