長瀬産業のTRANSTECHNOLOGY PROJECT.は12月14日、現在使われている動画フォーマットが“ほとんど”再生できるというネットワークプレーヤー用のサーバソフト「Ultimate Server」を発表した。同社の「DVX-500/600」シリーズのほか、同じデコードチップを搭載した他社製メディアプレーヤーでも利用可能だ。
一般的に、専用デコードチップを搭載したハードウェアデコードタイプのネットワークプレーヤーは、CPU負荷などの点でメリットが多い反面、チップが未サポートのコーデックは一切再生できず、また規格から外れた形で作られたファイルなどに対する柔軟性にも欠ける。たとえば、「DVX-600」はWMV(Windows Media Video)をサポートしたが、これは「WMV 9」のみ。「WMV 8」以前のバージョンで作成されたファイルは再生できない。Ultimate Serverは、こうした利用者の不満を解消するものだ。
Ultimate Serverでは、まず再生する動画ファイルのコーデックを調べ、それがネットワークプレーヤー側のチップでハードウェアデコードできるものならそのまま送出。対応していない場合はPC側で一旦トランスコードを行う。トランスコード後の動画は、MPEG-2(640×480ピクセル、音声は2ch)にり、プレーヤーでも再生可能になる仕組みだ。汎用性の高いソフトウェアデコードと、CPU負荷が少ないハードウェアデコードの良い部分を掛け合わせたといえる。
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同様のアプローチは、既にアイ・オー・データ機器のサーバソフトで実装されているが、長瀬産業によると「ファイルの自動判別機能にくわえ、Direct Xのコーデックが必要ない点が異なる」という。つまり、「QuickTimeのように、Direct Xのコーデックになっていない動画ファイルも再生可能だ。さらに、独自のアーキテクチャにより、従来のサーバソフトに比べてPCのCPU負荷を大幅に軽減した」。動作環境は、Celeron/1.5GHz以上、Windows ME以降となっている。
もう一つの特徴は、他社製ネットワークプレーヤーと組み合わせて使えること。動作確認済みのネットワークプレーヤーは下記の通り。これらの製品は、いずれも米SigmaDesigns製の最近のデコーダチップを搭載しており、「市場では各社がシェアを分け合っているが、実際には同じリファレンスデザインを踏襲したもの」。
メーカー | 型番 |
---|---|
長瀬産業 | DVX-500、DVX-500a、DVX-600、DVX-600Wired |
アイ・オー・データ機器 | AVLP1/DVD、AVLP2/DVDLJ、AVLP2/DVDG |
バッファロー | PC-MP2000/DVD、PC-P2LAN/DVD、PC-P3LAN/DVD、PC-P3LWG/DVD |
バーテックス・リンク | MediaWiz、MediaWiz Plus、Media Wiz HD |
長瀬産業では、12月20日から自社製品のユーザーにUltimate Serverの無償配布を開始するほか、他社製品のユーザー向けにダウンロード販売も行う予定だ。価格は3980円。また来春をめどに、音楽や画像など「現在の標準サーバソフトが持つ機能をすべてサポートした新バージョン」の提供も計画しているという。
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