「アウトラン」「アフターバーナー」などのコックピット型筐体が全盛の頃、「大人になってリッチになったら(いや、ならなくても)、家にアレを置こう」と夢見てた。しかし、実際のところはかなりの大きさ・重量があり、真剣に入れるとなると、それなりの占有面積と、子象が踏んでも抜けないくらいの床強度が必要と悟ったのは、しばらく後のことである。
そして、大人になった現在――。1メートルちょいほどの幅しかない小型ビリヤード台や、PC用排気ファンに毛の生えたようなユニットで空気を噴き出すエアホッケー台(どっちも1万円程度)なんかは無策に買ってしまい、家庭内粗大ゴミと化しているが、さすがに体感ゲーム筐体には手を出していない。
でも、ドライブゲームはよくやる。少し前までハマっていたのは、PlayStation2用「ニード・フォー・スピード アンダーグラウンド」とGameCube用「Burnout 2」(米国版)。ふだんは『ゲームは「ゼルダ」シリーズしかやらない。その合間に違うゲームもたまに』などと公言しているが、その「たまに」のほとんどはこの2つを遊んでいたりした。操作は標準のスティックコントローラしか使わず、指先でちょいちょい押す微調整が腕の見せどころなんだよね、などと自己陶酔しつつ……。
そんなある日、わが家にロジクールの「sparco racing cockpit Pro」なるものがやってきた。ハンドル+ペダルコントローラの「GT FORCE Pro」(別売)を取り付けられるシートだという。
「ほほう、こんなものを貸してくれるとは、ホームシアターの大画面と5.1chサラウンド環境を組み合わせて、大画面ドライビングを楽しめということか(誰もそんなことは一言もいってない)」
でも、実際のところは、見掛け倒しじゃないの? などと疑心暗鬼で組み立てを始めたのだが……。
「sparco racing cockpit Pro」の外箱は、58×95×64センチとかなりのもの。重量も26キロある。ただし本体は、前方のテーブル部、後方のシート部と、大きく2つのパーツに分かれており、各々は10キロちょい程度だから、取り出して組み立てるのには、思ったほど手間はかからない。
設置の際は、シート底部に付いたパイプを、テーブル側のパイプに差し込んで結合・固定する。この際に、シートとハンドルの距離を調整するが、実際に座って“運転”してみないとベストポジションはつかめないので、ネジは仮止め程度にしておくといい。床は、畳ではつらそうだし、フローリングの場合は傷つけてしまいそうだが、これらの不安を解消するためのマットも付属。滑り止めも兼ねている。実際、効果的だ。
金属パイプを骨組みにした姿は、通販で買うパイプベッドと座椅子の中間のような感じだが、シートのおかげで、全体にしっかりした印象を受ける。つまり、安っぽさはない。しかし、それもそのはずで、この製品は7万3290円もする。ただ、その分、シートには実車用レーシングシート、「sparco speed」を採用。これだけで2万円は下らないようだ。しかも、GRAN TURISMOのロゴが刺繍されるなど、オリジナルのアレンジも各所に加えられている。
組み立てが終わったら、テーブル上部に「GT FORCE Pro」のハンドルユニットを取り付け、傾斜のつけられた底部にペダルユニットを“がしゃり”とはめこむ。重量がそれなりにあるうえ、ハンドルユニットやペダルユニットもしっかりと固定可能なので、荒っぽい運転も心置きなくできる。調整さえうまくやれば、ポジションも良好。ただ、「GT FORCE Pro」にはPS2のUSB端子への接続のほか、電源、ハンドルユニットとペダルユニットとの接続など、結構多くのケーブルがつくのだが、これらの処理があまり考慮されていないのは残念。
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