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“5.1ch大画面ドライビング”環境のススメ祝!GT4発売記念レビュー(3/4 ページ)

» 2004年12月28日 20時44分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 さらに、サウンド出力を「ステレオ」から「ドルビープロロジックII」へ、オープニングムービーデジタルサウンドを「ON」にする。これで、オープニングムービーでは5.1chデジタルサラウンド、プレイ中はドルビープロロジックIIでリアルタイムエンコードされた5.1chサラウンドが流れる。

 ……これはもう、テレビ画面とスティックコントローラで遊んでいるのとは、あるいは、ハンドルコントローラを組み合わせた場合とも、まったく次元が異なる体験だ。映像が、音が、というのももちろんあるが、さらに、コクピットが加わることで、単一のエンターテイメントパッケージへと昇華してしまっている。ワイド大画面、サラウンド音響、コクピットのいずれかの要素が1つでも欠ければ、もとの次元に戻ってしまうだろう。

 前方に視野が大きく広がり、ライバル車の動きに応じて、エンジン音が前後左右に行き交う。ハンドルへのフォースフィードバックや衝撃は、路面の細かな感覚を確実に伝えてくれる。テレビ画面との組み合わせがアーケード筐体感覚なのに対し、こちらは実車とまではいわないが、ゴーカート(遊園地のではなく、鈴鹿サーキットで乗ったレーシングカート)感覚くらいには達している。

 実は10年ほど前にも、発売されたばかりのPlayStationと「リッジレーサー」で、大画面ドライブを試したことがある。しかし、全然だめだった。そのときの液晶プロジェクターの解像度・反応速度では、めまぐるしく描き換わる画面に酔う(陶酔ではなく、気分が悪いほう)ばかりで、ろくに遊べる代物ではない。しかし、現在の液晶プロジェクターの性能なら、そのような問題も生じないようだ。

 ところで、「GT4」以外のドライブゲームはどうだろう? すべてを調べたわけではないが、16:9モードへの画面変更とプレイ中のドルビープロロジックII出力の双方に対応したソフトは意外と少ない。

 もっかのところお気に入りの、「バーンアウト3」もドルビープロロジックII対応なものの、16:9にできない(※PS2本体側の設定で切り替えられるとの指摘を受けたが、うちのはBBユニット搭載機種なのでダメらしい)。しかたないので、ズームモードで横幅いっぱいに拡大してプレイしているが、そうすると画面上下に配置された速度計やブーストメーターが見えない。まあ、そのへん気にせずガンガン走れるゲームなので、いいけど……。

 つまり、大画面サラウンド環境でドライブを楽しむのに、最適の機能、性能、そして内容を備えているのは「GT4」といえる。ただし、「GT4」の真面目さもスゴイけど、「バーンアウト3」の破天荒ぶりもスゴイ。大画面+サラウンド+コクピットは、「GT4」を真のドライビングシミュレータに変えてしまうが、「バーンアウト3」はアトラクション、いや、絶叫マシーンと化す。アドレナリンは常時垂れ流し。ハンドルのフィードバックも盛大で、筋力アップにもつながるかも?

 そんなわけで、今日も上腕が痛い……。

 しかし、今回の体験は実に感慨深いものだった。ふだんは「人生で限られた回数しか観ない映画なのだから、家でもなるべくよい視聴環境で観るよう努力すべき」と伝道してたりするのに、「ドライブゲームにハンドル(+シートも)は必須」という、同様の真理をいまさらながら思い知らされた格好だ。指先での微調整で、なんて自己陶酔していたとは、恥ずかしいかぎり。もう、もとのプレイスタイルには戻れないだろう。

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