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音の質と豊かさで感動を演出〜BOSE「FreeStyle」レビュー:フロントサラウンド特集(3/3 ページ)

» 2005年01月21日 00時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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 そのため、初期設定もなければ、サラウンドモードを変えたりといった操作もない。この製品では、5.1ch(ドルビーデジタルのみ)はもちろん、それ以外の2ch(ステレオ、サラウンドとも)ソースに関しても、独自の4×4BDプロセッサにより、まず5.1chへ自動的にデコードされる。要はすべて「おまかせ」なわけだ。自信の裏返しともいうべきか。ただ、完全おまかせでも、作り出される音が素晴らしいものであれば、それはそれでもかまわないわけで、しかも、操作がシンプルなのは歓迎すべき点といえる。

 ただ、入力端子とリモコンの入力切替の表記が一致していない点は、わかりづらい。実は入力端子の表記は、もともと「DVD」ではなく「GAME」なのである。というのも、この製品は米国市場ではゲームユーザー向けとして販売されたもので、光デジタル端子にゲーム機、同軸デジタル端子にDVDプレーヤーなどの接続を想定している。

 ゲームを主な用途とした製品となると、派手なサラウンド重視で、音質は二の次扱いなのか? そう考えてしまう人もいるだろう。いや、そんなことはない。むしろ、その逆である。

 実際に、音楽や映画といった、さまざまなソースを聴いてみたところ、特に音楽再生が素晴らしい。4×4BDプロセッサで処理されているとはいえ、決して違和感はなく、“豊かなステレオ音響”を聴かせてくれる。「さすが、BOSE」という音だ。低音の響きも心地よい。

 一方、5.1chソースのサラウンド再生のほうはというと、あくまで包囲感重視の印象。方向感ももちろんあるが、その範囲は前面および側面にとどまり、後ろに音が回るような感覚はない。つまり、この製品は、あちこちから音がするようなアクション映画の派手なサラウンド音響よりは、音の“内容”で聴かせるようなドラマやスペクタクルのほうが向いている。音楽で感動を誘うような作品なら、なおさらのことだ。

 BOSE「FreeStyle」は、映画だけでなく、ふだん聴く音楽でも、質の高い音響を手軽な操作で楽しみたいというユーザーに適した製品といえるだろう。

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