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テキパキ動いて会話もできる“仕事仲間”――日立のロボット「EMIEW」

» 2005年03月15日 23時26分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は3月15日、パートナーロボット「EMIEW」(エミュー)を「愛・地球博」に出展すると発表した。漫画のキャラクターになれそうな愛嬌のある顔と、「セグウェイ」に似た二輪移動機構を装備。人と同じ空間で動くための機敏さとコミュニケーション能力を備えているという。

photo 身長は130センチ、体重は約70キロ。ワタシだけ? 「にゃんまげ」を思い出したのは……

 EMIEWは、「Excellent Mobility and Interactive Existence as Workmate」の略で、その名の通り人間の“仕事仲間”になることを目指して開発されたロボットだ。人に合わせて動けるよう、二足歩行ではなく、倒立二輪移動機構を採用。人間の早足に相当する時速6キロで移動できるため、「遅い」といった不快感を与えない。

 移動時には、内蔵センサーで傾きを検知しながら車輪を駆動させることで、安定した走行が可能になった。ボディを左右に傾ける重心移動により、方向転換も機敏だ。また、人間など動いている障害物を検知すると、センサーが障害物の位置と動きを確認し、衝突を回避するための経路を計算して移動できる。この技術は、日立と筑波大学の共同研究によるものだ。

 腕(アーム)には、人間とほぼ同じ動きができるよう6つの自由度を設け、ものを掴むための手(ハンド)も備えた。さらに人間の動きをモーションキャプチャーで取り込み、計測した動作データを活用することで、表現豊かなボディコミュニケーションを実現したという。

 人との対話には欠かせない、音声認識、顔認識、音声合成といった機能も備えている。聴覚センサーと視覚センサーを複数搭載し、人が話かけると、まずそれぞれの聴覚センサーが捉えた音を分析して音の方向(発信源)を特定。その方向にいる人の顔を視覚センサーが確認するという手順により、離れた場所からでも音声を聞き分けることが可能になった。同社によると、1メートル程度の距離なら、特別な道具を使わずにコミュニケーションできるという。

 「EMIEW」は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の委託事業の一環として開発されたもの。日立では、“受付案内”やオフィスにおける“物流サポート”など、「人間と共存、協調できるロボット」として、EMIEWの機能向上を図り、実用化を進める。なお、「愛・地球博」では、2005年6月9日〜19日に「モリゾー・キッコロメッセ」で、また7月中旬から夏休み期間中は「Nature Contact 日立グループ館 ユビキタス・エンターテインメント・ライド」で、それぞれデモンストレーションと展示を行う予定だ。

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