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ハイビジョン録画で楽しむホームシアター劇場がある暮らし――Theater Style(2/3 ページ)

» 2005年03月25日 13時19分 公開
[本田雅一,ITmedia]

キラーは地デジ? いやいや意外に……

 世の中へのハイビジョンの浸透という意味では、地上デジタル放送に期待する向きが多いことは今更言うまでもない。しかし、地上デジタル放送は地上アナログ放送の延長線上にある。コンテンツの内容が特に新しいというわけではない。特に民放各局の現状のコンテンツは、なにもハイビジョンじゃなくても……というものが多いように思う。映画放送で良いコンテンツが流れる場合もあるが、それもさほど回数が多いとは言えないのが残念。地上デジタルで本当に高画質と思えるものは、NHKのドキュメンタリーや映画放送ぐらいかもしれない。

 だが何もまだ人口カバー率が低い地デジばかりを気にする必要はない。付加価値の高いコンテンツは有料放送のあるBSデジタルや110度CSデジタルの方にあるからだ。

 映画好きならばデジタルWOWOW(BSデジタル)とスターチャンネルHV(110度CSデジタル)がおすすめ。WOWOWは映画に特化しているわけではないが、毎日数本はハイビジョン映画が流れる。一方、スターチャンネルHVは映画専門チャンネルだけあって、24時間、再放送も含めて数多くのハイビジョン映画を楽しむことが可能だ。

 両放送ともSDコンテンツをアップコンバートしてハイビジョン放送しているものと、きちんとハイビジョン品質のマスターから放送しているものがあるが、ここ1〜2年ほどでハイビジョン放送は増加傾向。WOWOWの場合、海外の人気ドラマもタイトルによってはハイビジョンだ。

 両者ともにWebページでどのようなコンテンツを放送しているかが掲載されているのでチェックしてみよう。たとえば3月のWOWOWでは、「華氏911」「マスターアンドコマンダー」といったタイトルが放送される予定。さらに5月になると、「世界の中心で、愛をさけぶ」「ミスティックリバー」「21グラム」「キャシャーン」といった昨年公開された映画がハイビジョン品質5.1チャンネル音声で放送される。

 WOWOWの場合、ハイビジョン5.1チャンネルの音楽ライブや舞台ものの放送も多い(クラシック音楽ならNHKの方が充実しているが)。

 また放送数はやや少ないが、非常にクオリティが高いのがNHKのBS-hiの映画放送。実は3月はアカデミー賞に絡めて名作映画が立て続けに放送されていたが、従来の日曜に加え、金曜日もハイビジョンでの映画放送が定期放送されている。新作映画こそ少ないがなかなか渋いセレクトで映画ファンは楽しめるはず。4月は「アラビアのロレンス」や「コンタクト」といったあたりが目玉だろう。

 このほかBSデジタルは、民放も”拾いもの”コンテンツがたまに放送されている。地上波では放送しにくい2時間モノのコンテンツがBSデジタルに流れてくるからだろう。普段の民放BSデジタルは見所が少ないが、たまにこれはと思えるようなライブ放送が入ることがある。地上デジタルよりも時間枠の自由度が高い分、以外に良い番組が落ちているものだ。

 またBSデジタルは地上デジタル放送よりも、一般的に画質がいい。これは映像に使える最大の帯域幅がBSデジタルの方が広いためだ(ただしこれは一般論。一部民放のBSデジタル放送はビットレートが低すぎるため、最新機材でエンコードしているNHKの地上デジタルの方が高画質なところもある)。

 大画面のシアターで見るコンテンツはテレビとは異なり、映画、スポーツ、ドキュメンタリー、音楽ライブなど、目的意識の強いものが多く、それらはアナログ地上波以外で放送されることが多い。このことさえわかっていれば、今までとは異なるチャンネルや時間帯を選んで録画したくなるはずだ。

ハイビジョン録画に必要なもの

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