次世代光ディスクにもっとも強くコミットしている映画スタジオといえば、ソニーグループのソニー・ピクチャーズ エンターテインメント(SPE)を思い浮かべる読者も多いだろう。もちろん、SPEはBDのパッケージソフト立ち上げに強くコミットするだろうが、もう1社、次世代光ディスク市場に並々ならぬ意欲を燃やしているスタジオがある。それが、HD DVDの支持を表明しているワーナー・ブラザース(Warner Bros. Studios)だ。
ワーナーは、HD DVDの支持を表明し、既存カタログから発売予定タイトルを公表しただけでなく、今後公開予定の新作映画も、積極的にHD DVDで発売するという。HD DVD支持を表明するまで、表向きには慎重な発言ばかりだったワーナーだが、いったん方向が決まってからは、決して負けないという強い意欲を感じさせる発言が目立つ。
HD DVD表明に至った次世代光ディスクに対する考えを、ワーナー・ホーム・ビデオ上級副社長のマーシャ・キング氏、およびワーナー・ブラザースCTOのクリストファー・J・クックソン氏の二人に聞いた。
次世代光ディスクの標準と目されている二つの規格のうち、ワーナーブラザースはHD DVDを選んだ。しかもニューラインシネマ(New Line Cinema)やHBO(ドラマ専門テレビチャンネル)も含む、タイムワーナーグループを挙げての取り組みだ。
――ワーナーの次世代光ディスクに対する取り組みについて、ここ数年の動きを振り返っていただけますか?
「われわれは、現行DVDの次世代版となる新しいメディアについて研究をしてきました。青紫レーザーダイオードを用いた光ディスクに関しても、家電ベンダーからの情報を得て、かれこれ2年以上かけて調査を行った結論です」。
――ワーナーはもともとHD DVD寄りだったとの見方もあります。
「いえ、われわれは両方のフォーマットを研究していました。この2年の間、ワーナーのテクニカル部門は、製造性、信頼性、耐久性の3点について、ホームビデオだけでなく、あらゆるエンターテイメントの可能性を調べてきました。その結果、そろそろ自分たちの結論を出すべきだろうと考えたのです」。
「ユーザーの利便性やプレーヤー/ソフトに対する投資を保護するため、フォーマットは一つであるべきです。DVDフォーラムの幹事会でも各社に働きかけ、統一を促してきました。しかし統一することはできませんでした。そこで、現時点で優位性があると判断したHD DVDを選択したのです」。
――なぜHD DVDの支持を選んだのしょうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR