地上デジタル放送の普及はまだまだといった段階。導入世帯の実数はもちろん、それ以前に、全国的に見れば、受信可能地域自体がごく一部にとどまっている。ただ、東京・大阪・名古屋の三大都市圏に限っては、CATVによるパススルー送信の助けも得て、徐々にだが受信世帯が増えつつあるようだ。もちろん、以前から存在するBSデジタルであれば、アンテナさえ用意すれば、ほぼ全国で受信できる。
地上/BSデジタル放送の魅力は、ハイビジョン映像が第一といえる。しかし、そのままで保存するのは、コストの面でまだまだ敷居が高い。そのため、DVDで記録可能な標準品質(SD)に落として録画する選択肢も現実的だ。
地上デジタルでは、ノイズやゴーストがない受信が可能で(その代わり、信号に不具合があるとブラックアウトするが)、ワイド放送も行われているので、SD品質に落としたとしても、地上波(アナログ)経由で録画するよりは、いくらかクオリティの高い保存が期待できるわけだ。
さらに、EPGも利点として挙げられる。常時更新されたデータが流れてくるため、野球の延長などであとの番組の開始/終了時間がずれても、単に30分余計に録画するのではなく自動追従が可能だ。
今回取りあげる東芝の「RD-Z1」は、ネットdeナビ、WEPGといった機能が魅力のRDシリーズに、デジタル放送録画機能を追加したDVD&HDDレコーダーである。同様に、アナログ系レコーダーにデジタル録画機能を付加した製品としては、パイオニアの「DVR-920H」「DVR-720H」が存在するが、あちらは外部チューナーからi.Link経由でTS記録が可能というだけで、録画したハイビジョン番組を標準画質へHD→SD変換したり、DVDへ記録するといったことはいっさいできなかった。
「RD-Z1」もアナログ放送レコーダーをベースとしており、最初からハイビジョン録画を中心に想定した製品とは若干異なる印象はある。しかし、地上/BS/CSデジタルチューナーを内蔵し、ハイビジョン(TS)録画した番組も、SD変換してHDDやDVDへムーブできるため、スペックを見るかぎりは単なる付け足しとはいえないだろう。
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