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» 2004年10月21日 13時19分 公開

レビュー:HD録画を取り込んだハイエンドDVDレコーダー〜パイオニア「DVR-920H-S」 (1/2)

地上波での展開も本格化し、状況は落ち着きつつあるデジタル放送だが、いずれにせよ、悩ましいのが録画。しかし、パイオニアの新しいDVDレコーダー「DVR-920H-S」は、アナログ放送を中心に置きつつ、かなり実用的なハイビジョン録画機能を持っている。その実用性と制限を検証していこう。

[浅井研二,ITmedia]

 地上波での展開も本格化し、状況は落ち着きつつあるデジタル放送だが、いずれにせよ、悩ましいのが録画。デジタル放送のEPGは、アナログ放送のように「あとづけ」ではないので、常に最新データを取得できる仕組みだ。つまり、録画番組の前に放送される野球が延長になれば、予約開始時間は実際に番組が始まるまで自動的にずらされるし、もちろん、終了時間もきっちりと追従する。予約した番組が突発的なニュース特別番組などで放送中止になれば録画も実行されない。そんなわけで、D-VHSやブルーレイでの永久保存ライブラリ用途だけでなく、ハードディスクレコーダーへの“留守録”用途にも思いのほか役立つはずなのだが……。どうも手軽導入という状況ではなく、製品自体の選択肢も非常に少ない。しかし、ここに来て、面白そうな試みをした製品がいくつか出てきたようだ。

photo パイオニア「DVR-920H-S」。前面パネルを閉じた状態では、左端の電源ボタン、右端の録画ボタンのほかは、中央の表示部が見えるくらいで、非常に落ち着いた印象

 たとえば、東芝が9月28日に発表した液晶テレビ、「beautiful“face” LZ150シリーズ」では、イーサネット端子を利用して、ネットワーク上のLAN HDDへハイビジョン録画できる。デジタルハイビジョン録画では通常、チューナーからレコーダーへ(一体型製品でなければ)i.Link経由で、放送されているMPEG2-TS形式のデータストリームをそのまま転送するのだが、この製品では同じことをLAN経由で行えるようだ。

 そして、もう1つが、今回紹介するパイオニアの「DVR-920H-S」である。この製品は地上/BSアナログチューナーを搭載した、ごく一般的なDVD/HDDレコーダーだが、400Gバイトというハードディスクを活用し、任意の容量をデジタルハイビジョン録画用に割り当てられる。デジタルチューナーは搭載していないので、同社製の地上・BS・110度CSデジタルチューナーや、デジタルチューナー内蔵プラズマテレビ“ピュアビジョン”とのi.Link接続が前提だ。姉妹機種として、容量250Gバイトの「DVR-720H-S」もラインナップされている。

photo 前面パネルをオープンすると、左側の入力端子類や右側の操作ボタン類にアクセス可能

ハイビジョン録画の実力は?

 まず、「DVR-920H-S」を設置して、基本設定(受信チャンネルなど)を行う際、いきなりほかの一般的なHDDレコーダーとは異なる初期設定がある。「i.Linkによる録画・再生設定」というものだ。ここでは400Gバイトのうち、「デジタル放送録画領域」と「アナログ放送録画領域」に、何%ずつを割り当てるかを設定。リモコンの左右カーソルを押せば、10%単位で分割位置が動かせる。何%ずつといわれてもぴんとこないものだが、現在の分割設定での、デジタル・アナログの各モードでの録画可能時間も表示されるので、それを目安に設定すればいい。

photo 設置時に実行されるセットアップナビで表示される「HDD記録領域設定」。10%単位でデジタル放送録画とアナログ放送録画のそれぞれに割り当てる容量を設定する。最大録画可能時間を目安に決めればいい

 さて、本当はパイオニア製のデジタルテレビまたはチューナーを用意しなければならないのだが、残念ながらわが家にはない。ただ、一般的なデジタルチューナー製品であれば、外部機器と連携して録画を行えるようにi.Link端子が装備されている。パイオニアでは自社製品しか対応をうたっていないが、これは他社を含む全製品の動作確認(単に動くかどうかだけではなく、細かな不具合の検証まで)を単にできないということかもしれない。とりあえず、普段使っているCATVデジタルセットトップボックス「TZ-DCH300」(松下電器製)に接続してみた。

 MPEG2-TS用のi.Link端子は背面にある。コネクタが同じで間違いやすいDV端子は、デジタルカメラとの接続がしやすいように前面に1基装備されている。i.Linkはディジーチェーンが可能だが、「DVR-920H-S」では1基しか端子が装備されていないので、もし、複数台のi.Link機器を接続したいなら、末端につなぐしかない。とりあえず、うちでは「TZ-DCH300」→「RecPOT」→「DVR-920H-S」とした。

photo デジタルチューナーと接続するためのi.Link端子は背面にある。左側に見えている排熱ファンは常に回っているが、かなり低回転で気になるほどのノイズではない

 一般に、i.Link経由による録画では、チューナー機器側ですべて制御を行い、レコーダー機器側は単に流れてきたデータを記録するだけだ。「DVR-920H-S」も例外ではない。接続すると、「TZ-DCH300」側で2台目の“D-VHSデッキ”(1台目はもちろん「RecPOT」)として認識されたので、チューナーのEPGで予約操作を行う。

 予約した時間になると、「TZ-DCH300」と「DVR-920H-S」の電源が入り、無事に録画が開始された。チューナー経由での録画番組の再生も成功。ただし、ディスク容量を使い切ると、本体前面のパネルに「HDD FULL」と表示し、それ以上の録画は不可能になる(古い番組を自動的に消すといった機能はない)。録画中はDVD再生なども含め、一切の操作はできない。リモコンの録画停止ボタンなども効かないので、中止したければチューナー側で操作する。

 また、アナログ放送とデジタル放送の予約録画が重なった場合は、片方しか録画されない。開始時間が同時ならアナログ放送のほうを優先して録画する。アナログ側の予約録画の終了時間とデジタル側の開始時間が一致する場合にも、デジタル側が録画実行できないので、終了時間を手動で早めるなどの措置が必要だ。

アナログ録画とは分離、ムーブ非対応は残念

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