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» 2004年09月30日 22時20分 公開

「温泉」で「秘湯」を見つけ出す――パイオニアの録画辞典

「混浴」も見つかる。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 DVDレコーダーにEPG(電子番組表)が搭載されるようになったのはまだ最近のことだが、各メーカーは既に、次のステップを模索している。番組検索やスポーツ中継に対応した録画延長機能は、いずれもEPGの持つ番組情報を活用したもの。そしてパイオニアは、“内蔵辞書”という手法でこれらをブラッシュアップした。

photo ラインアップ。これにホームシアタータイプの「HTZ-929DVR」を含め、すべての新モデルに「気がきく!録画辞典」を搭載した

 パイオニアの新製品は、春モデルの「選んでポン」というコンセプトを継承し、より簡単&確実に録画することを目指した。今回のキーワードは「録り逃しはつらいよ」。寅さんの困っている顔が頭に浮かびそうだが、要するに「気になる番組は逃さず録画したいというニーズにこたえる」(AVビジネスカンパニービデオ事業部ビデオ企画部企画グループの宮崎武雄主事)ということだ。そのために、「約22万語を登録した関連語・同義語・連想語辞書を搭載してEPGの機能を進化させた」。

 辞書と連動した番組検索機能は、「気がきく!録画辞典」と名付けられている(何かを彷彿とさせる……)。9月30日に発表された新製品5モデルすべてに搭載されるほか、春モデルの「DVR-620H-S/520H-S」も、11月中旬に発売予定のバージョンアップディスク「DRCD-201」により、全く同じ機能を付加できるという。では、一体どのような機能なのか。大辞典を開いてみよう。

3つの辞典を切り換え

 「気がきく!録画辞典」では、キーワード検索時に「大辞典」「中辞典」「小辞典」を切り換えて使うことができる。小辞典は“表記違い”を吸収する機能を持ち、平仮名やカタカナの違いをはじめ、番組名の省略形を認識したり、有名人の名前をニックネームで入力しても正しく解釈したうえで検索を行う。たとえば「どらえもん」や「ドラエモン」と書いても、しっかり「ドラえもん」がヒットする。なお、小辞典に登録された約8万語の単語は、言語工学研究所のデータを使用しているという。

photo 「気がきく!録画辞典」

 中辞典は、言葉が違っても同じ意味を持つ同義語や、関連するキーワードを含めて検索するための辞書だ。たとえば、「温泉」に関連した番組を検索したいとき。従来のEPGでは、番組名や番組情報に「温泉」という文字列が入った番組しかヒットしない。つまり、「湯けむり天使!」とか、「女性に人気の秘湯」とか、「混浴露天風呂」といった魅惑的な番組を見逃してしまう可能性が高い。

 ところが中辞典を使うと、「温泉に関連する言葉……たとえば“湯”“露天風呂”“混浴”“浴衣”といった関連語を含めて拡張検索を行う。実際に“温泉”で検索してみたところ、従来は9件しかヒットしなかったものが、中辞典を使うと17件に増えた」(同氏)。

 また、俳優や監督の代表的な作品名や各タレントの出演番組、あるいはグループのメンバーといった情報も含まれているという。たとえば「SMAP」はグループ名で検索してもなかなか出演番組が見つからないが、中辞典を使うと各メンバーの出演番組がリストアップされるという具合。登録単語は、小辞典の分を含む約19万語を用意した。

photo 「SMAP」で検索しても番組が見つからない。最近、ソロ活動ばかりだから……
photo 中辞典を使うと、SMAP各メンバーの出演番組がリストアップされる

 最後の「大辞典」は、連想語辞典だ。番組を象徴する言葉や人気のあるコーナー、タレントや番組につながる言葉などをフォローしてくれる。たとえば、「トレたま」というコーナー名は憶えていても、番組名が思い浮かばないといった経験は誰にでもあるはず(?)。そんな人でも、目的の番組を簡単に見つけ出せるのが大辞典だ。小辞典と中辞典の登録単語を含め、約22万語が登録されている。

 ちなみに、タレント名などに関する約7万語は内製。「芸能辞典などの資料を参照しながら、ほぼ手作業でリストアップした」という苦心作らしい。ありがたく使わせてもらおう。

連続ドラマの最終回も見逃さない

 録画辞典でリストアップした番組は、詳細設定画面で「自動録画」を設定できる。自動録画は、リストにある番組から6つまでを自動的に選択し、録画するというもの。基本的にレコーダーが選び出した番組を知ることはできないが、ジャンル指定により、自動録画の対象となる番組を絞り込むことはできる。条件付きの“おまかせ録画”といった印象だ。

 ディスクナビ(録画番組の一覧画面)では、自動録画した番組に青い「NEW」アイコンがつくため、すぐに判別できる。もちろん、自動録画とユーザーの予約録画が時間的に重なった場合は予約録画を優先する仕様だ。なお、自動録画した番組がある程度の容量に達すると、自動的に消去されるため注意したい。

photo 自動録画設定で画質も選択できる

 野球延長対応は「一回延長」機能と呼ばれる。こちらは、EPGの番組データをレコーダーが参照して延長する可能性のあるスポーツ中継があると、影響を受ける番組すべてに対して野球ボールをイメージした「お知らせアイコン」を付加する。アイコンを確認したら、「一回延長」画面に移動して、録画時間を変更すればいい。

photo 野球延長に対応した「一回延長」の設定画面。延長時間は30分・60分、90分、120分から選択可能

 ユニークなのは、連続ドラマなどの終了時間延長に対応する「連ドラ延長」機能。こちらは、毎日もしくは毎週録画を設定した番組を対象としたもので、予約時に「連ドラ延長」設定をオンにしておくと、放送時間の変更があった場合には、自動的に録画時間を延ばしてくれるという。「毎日の予約起動時に、EPG番組データと予約内容から対象番組を特定し、予約終了時間に不整合があれば修正する仕組みだ」(同氏)。

photo 「連ドラ延長」機能の設定

 「これで、ドラマの最終回がしっかり録れなかったと家族に責められることもない」。どうやら、新機能は実体験から生まれたようだ。

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